ECサイトで売上を向上させる施策のひとつとして挙げられるのが、口コミ(レビュー)を活用したマーケティングです。
SNSやブログの普及により、一般の人が当たり前のように情報を発信するようになった今、レビューは商品やサービスの認知度向上、販売促進に大きな効果を発揮します。
ただ、手法や活用ポイントを把握していないと成果を上げるのも困難です。
そこで今回はレビューを活用したマーケティングのポイントについてお伝えします。
レビューマーケティングとは?
レビューマーケティングとは、消費者が発信する商品やサービスに対する声、レビューなどを活用したマーケティング手法です。
認知拡大や販売促進などを目的とし、一般的にはインターネットを使って行います。
レビューを活用したマーケティングが注目される理由
レビューや口コミを活用したマーケティングが注目を集める最大の理由として挙げられるのは、多くの消費者が実際に商品を購入する際にレビューや口コミを参考にしている点です。
実際、2021年6月、KDDIエボルバが発表した「EC・通販ユーザー動向調査レポート」で、商品の購入決定に口コミが影響すると回答したのは全体の50.6%。
さらに良い口コミによる購入決定経験が一度でもある人は全体の98.4%という結果も出ています。
また、Googleが評価を高める要素として質の高い商品レビューを挙げている点も、レビューが注目を集める理由の1つです。
ユーザーがレビューを投稿することで商品ページが更新されるため、事業者側がコンテンツを用意する必要がなく、工数をかけずにSEO対策を行えることもメリットの一つです。
レビューマーケティングのメリット
レビューマーケティングを実施することで得られるメリットは以下のとおりです。
消費者からの発信のため、宣伝色が出過ぎず信頼されやすい
ECサイト上における第三者のレビューは中立的な意見として、企業側からの発信に比べ信頼されやすい傾向があります。
ECサイト以外でもSNSにおけるインフルエンサーや信頼できる知り合い、友人からのレビューは信頼感が高いでしょう。
効果が長続きする傾向がある
広告は出稿を止めると露出がなくなります。
しかし、自社ECサイトのレビューは、コンテンツ資産としてECサイトに蓄積され、削除や閉鎖されない限り残るため宣伝効果が長続きする可能性が高まります。
認知度向上が見込める
レビューマーケティングは自社ECサイトで実施できますし、自社のSNS、ブログ、広告用のランディングページや特集ページなどと連携することも可能です。
さまざまなメディアで自社商品・サービスを伝えることができるため、認知度の向上が期待できます。
レビュー(口コミ)マーケティングのデメリット
レビュー(口コミ)マーケティングは、消費者に信頼されやすい手法である一方で、いくつかのデメリットも存在します。これらのデメリットを理解し、リスクを最小限に抑えるための対策を講じることが重要です。ここでは、レビュー(口コミ)マーケティングにおける主なデメリットを解説します。
- ・レビュー(口コミ)を制御するのが難しい
- ・悪い口コミでECサイトやブランドイメージが下がるかもしれない
それぞれ詳しく見ていきましょう。
レビュー(口コミ)を制御するのが難しい
レビュー(口コミ)マーケティングは、収集・活用することでECサイトの認知拡大や売上アップに導く可能性もありますが、逆効果になることも。
なぜならレビュー(口コミ)は消費者自身の意見であり、企業側で完全に制御することはできないからです。
良いレビューを活用してマーケティングに利用することは可能ですが、口コミキャンペーンなどで悪いレビューや予期しない批判コメントが投稿・拡散されると、炎上するリスクもあるでしょう。
特に、ネガティブなレビューは、他の消費者に悪い影響を与えることがあり、サイトの評価や売上に悪影響を及ぼす場合もあります。
ECサイトで口コミを活用する際はレビューを適切に管理し、問題が発生した際に迅速に対応できる体制やマニュアルを整え、社内で共有しておくことが大切です。
悪い口コミでECサイトやブランドイメージが下がるかもしれない
レビュー(口コミ)は、ECサイトやブランドのイメージを良くすることも悪くすることも可能です。
たとえば、商品に対する品質の悪さやサービスの質などで悪い口コミが目立つと、購入を検討している新規顧客が購入をやめるだけでなく、ECサイトやブランドそのものに対して悪いイメージを持つ可能性があります。
「あのECサイトの品質は悪い」というイメージが一度ついてしまえば、イメージを改善することは難しいといえるでしょう。
悪い口コミを完全に防ぐことは難しいですが、常に口コミを確認し管理しておけば、何か起こったタイミングで適切な対応ができます。
ポジティブなレビューを積極的に集める一方で、ネガティブなレビューには迅速かつ誠実な対応ができれば、たとえ悪い口コミだったとしても、顧客に対する丁寧な対応が評価され、ブランドイメージを守ることにつながります。
悪い口コミへの対応方法が気になる方は、こちらの記事を参考にしてください。
レビューマーケティングを実施する際の手法
ひと口にレビューマーケティングといってもその手法は多様です。ここでは代表的な手法を紹介します。
自社ECサイト
商品購入・サービス利用した人に対し、メールで感想を募り、商品やサービスページに掲載します。
ただし、投稿の手間が多いとレビューが集めにくくなってしまいます。
ログイン不要で投稿できることや、年代や性別などのアンケート項目はチェックだけで済むような形式にするなど、レビューする側の負担にならない方法を選択します。
比較・レビューサイト
比較・レビューサイトに登録し、自社商品やサービスの感想を掲載してもらいます。
多くの比較・レビューサイトがありますが、なかにはレビューの内容が管理されていないサイトもあるかもしれません。
誹謗中傷などは対策されているか、事前に管理体制を確認しましょう。
SNS・インフルエンサー
キャンペーンを実施し、商品やサービスの感想、名称(商品名・サービス名)をSNSに投稿してもらいます。
またインフルエンサーに商品やサービスを提供してSNSで紹介してもらう方法もあります。
アンケート調査・商品モニター
アンケートによって購入者や利用者の声を集めます。
もしくは、自社商品やサービスのモニターになってもらえる人を募集し、自社ECサイトやSNSなどに感想を投稿してもらいます。
NPS
NPS(ネット・プロモーター・スコア)とは、顧客ロイヤルティを図るための指標です。
顧客に対し、自社製品・サービスを家族や友人にすすめたいかどうかを0~10の11段階で評価してもらい、0~6を批判者。7,8を中立者。9,10を推奨者とします。
そして、推奨者の割合から批判者の割合を引いた数がNPSの値です。
NPSにより、商品レビュー以外の顧客の声を集めることが可能になります。
レビューマーケティング事例
実際にレビューマーケティングで成果を上げた事例について紹介します。
森永製菓の事例
製菓の製造販売を行っている森永製菓株式会社(以下同社)。
2019年、同社のTwitterアカウントは「焼きチョコ『ベイク』」が売れずに絶望していると投稿し、買わない「理由」を募集しました。
その際、買わない「理由」を100円のAmazonギフト券と引き換えにするとして話題になりました。
結果として2日で約4万件、最終的には5万件以上のリツイートを獲得。
商品の認知向上を実現しました。また、リツイートの内容を生かして1年後に商品をリニューアルしています。
伊藤久右衛門の事例
宇治茶、抹茶スイーツ、酒類、加工品の小売販売を行う株式会社伊久右衛門(以下同社)。
同社では、”自走する”レビューマーケティングプラットフォーム「ReviCo」を活用し高い成果を実現しました。
もともとはレビューが集まらずに苦労していましたが、投稿促進メールの機能を活用することで問題を解決。
メール上で星をつけるだけで評価してもらえるようにし、レビュー投稿の敷居を下げました。
また、購入者ならではの気付きや視点など、他のユーザーにとって親近感のあるコメントは、おすすめのレビューとしてページの上位に表示し工夫しました。
さらにメルマガにレビューを掲載することで、商品ページへのクリック率が従来の1.8倍に向上しました。
事例の詳細については、「京都宇治のお茶屋『伊藤久右衛門』レビュー掲載でメルマガクリック率1.8倍」をご確認ください。
レビューマーケティングを成功させるためのポイント
多くの消費者がレビューを信頼しているといっても、レビューさえ紹介すれば購入してもらえるわけではありません。
ここでは、レビューマーケティングを成功させるうえで欠かせないレビューを集めるポイントと集めたレビューの活用方法について紹介します。
レビューを集めるポイント
レビューを投稿したくなるような企画を立てる
レビューを投稿したくなるような企画を立てましょう。たとえば、レビューを投稿すれば割引クーポン進呈、金券プレゼントなどの特典をつけるのが効果的です。
レビューの内容を指定しない
キャンペーンや商品モニターなどで商品やサービスの感想を投稿してもらう際、誹謗中傷などは除き、内容を細かく指定しないようにします。あくまでもユーザーの生の声を、これから購入を検討している人に届けることが重要です。
レビューを投稿してもらいやすくする
事例でも紹介したように、レビュー投稿の敷居を下げることが重要です。具体的には以下のような施策が考えられます。
- ・「レビュー専用のフォームを用意する」「レビューの依頼メールからそのままレビューが投稿できるようにする」など投稿の手間を省く
・どのように書いたらよいかわからない人向けにこれまで投稿されたレビューを紹介する
・匿名でも投稿できるようにし、それを明記することでレビューをする際の不安を解消する
レビュー(口コミ)マーケティングでやってはいけない注意点
ここからは、レビュー(口コミ)マーケティングを活用する中でやってはいけない注意点を解説します。
- ・無断で口コミ・レビューを二次利用しない
- ・ステマ規制に違反しないように注意する
- ・薬機法に違反しないよう対策する
それぞれ詳しく見ていきましょう。
無断で口コミ・レビューを二次利用しない
顧客からのレビューや口コミは勝手に二次利用してはいけません。
なぜなら顧客が投稿したレビューや口コミには、その内容に対する著作権が存在するからです。
自社ECに関する口コミだからといって、無断で他の広告やプロモーション素材に転用すると、顧客との信頼関係が崩れるだけでなく、著作権侵害として法的に裁かれるリスクもあるでしょう。
レビューや口コミを二次利用する際は、必ず顧客から事前に同意を得るようにしてください。
口コミ投稿キャンペーンなどを実施する際も、参加条件に口コミの二次利用に関する承諾を記載しておけば、事前にトラブルを防ぐことが可能です。
レビューや口コミは、顧客が自社ECに対して感じているイメージや意見を把握できる場所です。
透明性のある手続きを意識しつつ、口コミ・レビューを活用しましょう。
ステマ規制に違反しないように注意する
ステルスマーケティング(ステマ)とは、企業が自社の商品やサービスを好意的に評価する口コミを、あたかも顧客からの自然な意見であるかのように装う手法です。
ステマは消費者庁や業界団体によって厳しく規制されており、違反した場合には罰則が科せられることもあります。
レビューや口コミが本物であることを示すには、広告やPRとして提供する場合に「PR」や「広告」などの文言を加えて「広告であること」を明示することが必要です。
顧客に誤解を与えるような表現は避けたレビューの活用を意識しましょう。
薬機法に違反しないよう対策する
薬機法(薬事法)とは、正式には「医薬品医療機器等法」と言い、日本における医薬品や医療機器、化粧品やその他の健康関連製品の製造から流通、使用に関する規制を定めた法律です。
薬機法(薬事法)は、消費者の安全を守る・製品の品質や有効性を確保するためにあり、口コミの内容にも適用されます。
たとえば、医薬品や化粧品に関する口コミに誇張された効能や効果を謳った表現があると、薬機法の違反になるリスクがあります。
薬機法の違反を避けるには、普段からどのような表現が薬機法に違反するかを理解しておくことが大切です。
社員教育を実施したり、専門の資格を持つ人材を配置することで、違反のリスクを減らすことができるでしょう。
集めたレビュー・口コミを効果的に活用するポイント
広告やランディングページに掲載する
集めたレビューの象徴的な文言を取り出し、キャッチコピーとして集客に利用します。
また、満足率やNPSの結果など、数値化されたものを使うのも効果的です。
レビューを分析する
レビュー内容を、商品やサービスの改善に活用します。数が多い場合は、ツールを使って定性分析するといいでしょう。
サイトコンテンツとして活用する
自社WebサイトやECサイト上で接客用コンテンツとしてレビューを掲載します。
商品やサービスを知りたい見込み客にとって魅力的なコンテンツとなるでしょう。
ECでのレビュー(口コミ)マーケティングはレビューツールの活用がおすすめ
口コミマーケティングとは、消費者が発信する商品やサービスに対する声やレビューなどを活用し、認知拡大や販売促進などを行うためのマーケティング手法です。
企業側からの一方的な情報発信に対し、消費者の声を活かすことで、信頼感を得やすくなります。
また、ECサイトにおいては、購入者のレビューを掲載することで、顧客が欲しい情報の提供ができたり、賑わい感の演出につながったりもします。結果として、購入意欲を高めることも可能でしょう。
しかし、レビューを活用するためには、まずはレビューを集める必要があります。
そこでおすすめなのが“自走する”レビューマーケティングプラットフォーム「ReviCo」です。
「ReviCo」の機能を活用すれば、ECサイト訪問やログインの必要なく、受け取ったメールから最短2クリックで口コミ入力を完了させることができます。
また、投稿によってプレゼントがもらえるキャンペーンも開催でき、購入者のレビュー投稿をさらに促進します。
購入を悩むユーザーに購入者の生の声を多く目にすることで、購買の後押しをすることができるでしょう。
ECサイト運営側にとって手間のかかるレビュー表示もテンプレートを切り替えるだけの簡単操作です。
さらに実店舗がある場合は、QRコードを読み取るだけで商品情報やレビューを閲覧できるなど、お客様のレビューを最大限に活用できます。
レビューマーケティングが上手くいかずお悩みの際は、ぜひ「ReviCo」の活用も検討されてみてはいかがでしょう。
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