対面でもオンライン上でも、商品やサービスを販売する際に顧客の購買意欲を高める対策を行うことは、ビジネスの成功に不可欠です。
ただ、購買意欲とはそもそも何?どうやって対策すればいいの?と悩む担当者の人もいるかもしれません。
今回は、購買意欲の本質と、それを掻き立てる効果的な方法について詳しく解説します。
心理学的アプローチの解説だけでなく、具体的な例文を使った実践的なアイデアをご紹介しますので、ぜひ最後までお読みください。
購買意欲を掻き立てる方法・アイデアとは?
そもそも購買意欲の定義や、購買意欲を掻き立てることにはどんな意味があるのでしょうか?
ここでは購買意欲について、以下の2点を紹介します。
- 購買意欲とは
- 購買意欲を掻き立てる要素とは
それぞれ詳しく見ていきましょう。
購買意欲とは
購買意欲とは、商品やサービスを購入したいという欲求のことです。
購買意欲は、消費者の心理状態や外部要因によって変化する点が特徴のひとつ。
たとえば、季節の変わり目にはファッションアイテムへの購買意欲が高まったり、特別なイベント前には関連商品への関心が高まったりします。
人々の欲求は常に変動し、環境や状況に影響される点を理解した上で、購買意欲を高める仕掛けをいくつも取り入れておくことが大切です。
購買意欲を掻き立てる要素とは
購買意欲を掻き立てる要素は、複数あります。
ここでは購買意欲を掻き立てる要素をいくつかまとめました。
- キャッチコピー
- デザイン
- 色
- ストーリー
- 訴求文章
- ブランドコンセプト
- 価格
たとえば、購買意欲を高めるために赤い文字で「SALE」と書いてある文字の広告をみたことがあるのではないでしょうか?
赤はエネルギーや強さ、元気を与えることから、購入への行動を促進させる効果があります。
また、商品の信頼性を高めるのであれば、青を多用して清潔感や誠実さを伝える方法も効果的です。
他にも、キャッチコピーの効果を最大限にするためにデザインを変更したり、色を調整したりと、要素を複数組み合わせることで、効果を引き出すことができるでしょう。
購入意欲を掻き立てるための3つのポイントを解説
購買意欲を掻き立てるには、上で紹介した要素を組み合わせることが大切です。
ここでは、購買意欲を掻き立てる施策を行う際の3つのポイントを解説します。
- ・顧客のニーズに合った商品提案を行う
- ・限定性や希少性を活用する
- ・長期的な信頼を構築する
それぞれ詳しく見ていきましょう。
顧客のニーズに合った商品提案を行う
購買意欲を高めるためには、顧客のニーズにぴったり合った商品を提案することが重要です。
なぜなら顧客が購入を決断するのは、自分の求めている商品やサービスを見つけたときだからです。
ターゲット顧客の購買動機やニーズを理解し、それに応じた商品を提案することが、購買意欲を引き出す鍵となります。
たとえば、ECショップで「新しいスマートフォン」を探す顧客には、その顧客が以前購入した商品に基づいて似た機種や同じ機能を持つスマートフォンをおすすめできれば、購入に繋げやすくなるでしょう。
顧客に合わせてパーソナライズされた提案は、顧客に特別感を感じてもらいやすく、さらに購入意欲を高められるメリットがあります。。
顧客のニーズに合った商品を提案することで購買意欲を自然に引き出し、売上向上を目指しましょう。
限定性や希少性を活用する
商品やサービスに限定性や希少性を持たせることで、購買意欲を高めることができます。
「今買わなければ手に入らない」と感じると、顧客は焦りや欲求を感じ、購入を決断しやすくなります。
限定商品や数量限定のキャンペーンを企業が実施する理由は、希少性による購買意欲を高める強力な手段だからです。
たとえば、「今週限りのセール」「数量限定の特別価格」など期間や数を強調すると、顧客はその商品を購入しなければならないという心理的圧力を感じます。
限定性や希少性を捉えたキャッチコピーを取り入れることで、購買意欲を高めることができます。
長期的な信頼を構築する
購買意欲を高める手段として、長期的な信頼を構築する方法も効果的です。
なぜなら一度ブランドや企業と顧客との信頼関係ができれば、今後も購入したい、ブランドを応援したいという顧客の気持ちを育むことができるからです。
企業やブランドの信頼ができれば、どんな商品だとしても「この企業・ブランドの商品だから買う」という顧客心理を作り上げることもできるでしょう。
信頼を構築するのは、短期間では難しいため、SNSでの交流や定期的なメルマガ配信、イベント主催など幅広い手段を取りながら、長期的に信頼を構築していくことが大切です。
購買意欲を掻き立てる心理的アプローチ10選
ここからは、商品の販売や営業にも使える、購買意欲を掻き立てる心理的アプローチを10個紹介します。
- 1.アンカリング効果|最初との差が大きいほどインパクトがある
- 2.バンドワゴン効果|多くの人が指示しているものは欲しくなる
- 3.損失回避の法則|とにかく損したくない
- 4.同調現象|みんなと一緒なら安心
- 5.カクテルパーティー効果|自分に向けた言葉は届く
- 6.カリギュラ効果|禁止されたらやりたくなる
- 7.スノップ効果|限定品に弱いワケ
- 8.一貫性の法則|一度決めたことは変えたくない
- 9.決定回避の法則|選択肢が多いと決められない
- 10.返報性の原理|何かしてもらったら返したくなる
それぞれ詳しく見ていきましょう。
アンカリング効果|最初との差が大きいほどインパクトが
アンカリング効果とは、最初に提示された情報を基準(アンカー)が、その後の判断に大きな影響を与える現象です。
たとえば遅刻をして相手に連絡をする際、「2時間遅れる」と言ってから1時間後に合流できたとすると、遅刻したことに変わりはないものの、相手は「思ったよりも早く来た」と良い印象を持つ可能性があるということ。
アンカリング効果は、価格設定や交渉において特に重要です。
なぜなら、人間は最初に示された数値を基準に物事を判断する傾向があるからです。
たとえば高額な商品を先に提示した後に、より安価な商品を紹介すると、消費者はその商品を「お得」だと感じやすくなります。
商品のラインナップや価格提示の順序を工夫することで、購買意欲を効果的に高めることができるでしょう。
バンドワゴン効果|多くの人が指示しているものは欲しくなる
人間は社会的本能として、集団に属することで安心感を得ることができます。
バンドワゴン効果とは、人間の社会的本能を利用して、多くの人が支持しているものに同調したくなる心理現象を指します。
バンドワゴン効果を活用するのであれば、以下のキャッチコピーが効果的です。
- ベストセラー商品
- 人気No.1
- 累計◯人突破
- 今1番売れてます
- 圧倒的支持
多くの人に支持されていることをアピールすることで、購買意欲を効果的に刺激することができます。
損失回避の法則|とにかく損したくない
人々は、利益を得ることよりも損失を避けることを重視する傾向があります。
人間の「損したくない」心理を活用したのが、損失回避の法則です。
損失回避の法則を取り入れたキャッチコピーや訴求文のアイデアは以下のとおりです。
- 今買わないと損
- 期間限定オファー
- 今後これ以上の値下げはありません
- セールは今だけ
- 今のままだと損します
損失回避の法則を活用してマーケティングを進める場合、現状維持では損失を受けることを伝えるだけでなく、今回の機会の希少性の高さをアピールしたり、損失の肩代わりを提案したりして顧客の気持ちを高めることが大切です。
損失を回避する機会を提供することで、効果的に顧客の行動を促すことができるでしょう。
同調現象|みんなと一緒なら安心
人間は、本能的に集団に属したいと思う気持ちを持っています。
同調現象とは、周囲の人々の行動や意見に合わせようとする心理的傾向です。
同調現象として効果を与えるキャッチコピーの一例は以下のとおりです。
- 多くの顧客に選ばれています
- SNSで話題の商品
- ◯代以上の主婦の9割が使用中
- 当店の会員の8割以上がリピート
他の人がたくさん使っている、というイメージをつけるだけで商品の信頼性や魅力を高めることができます。
口コミやレビューを組み合わせることで、さらに信憑性を高めることが可能です。
他の人々の行動や評価を示すことで、購買意欲を効果的に刺激してみてください。
カクテルパーティー効果|自分に向けた言葉は届く
カクテルパーティー効果とは、騒がしい環境でも自分に関係する情報を選択的に聞き取れる現象です。
なぜなら、人々は自分に関連する情報に敏感に反応するからです。
たとえば、顧客の名前や興味関心に基づいたメッセージやキャッチコピーを送ることで、「自分に言われている」と意識させ、注目を集めやすくなります。
カクテルパーティー効果で取り入れるべき訴求文の例は以下のとおりです。
- 〇〇さん、あなたの肌タイプに合わせたスキンケアセットをご用意しました
- △△市にお住まいの方限定!地元の特産品が20%オフ
- 先日ご購入いただいた商品との相性抜群のアイテムをおすすめします
フォローアップメールや個別の問い合わせなどでも、顧客の名前や顧客の住んでいる地域や情報を取り入れるだけで、顧客の反応が変わります。
顧客一人ひとりに合わせたアプローチを行うことで、より効果的に購買意欲を高めることができるでしょう。
カリギュラ効果|禁止されたらやりたくなる
人は、自由を制限されることを嫌う傾向があります。
カリギュラ効果とは、禁止や制限をかけられることで、かえってその対象への欲求が高まる現象です。
たとえば、「会員限定」「数量限定」といった商品の希少性や特別感を演出する表現に加えて、下記のような文言を足してみてください。
- 18歳未満の方はご遠慮ください。大人のための特別な〇〇
- 会員様限定の特別セール、非会員の方はご利用いただけません
- 完全予約制の隠れ家レストラン、一般のお客様はご入店いただけません
禁止要素を入れるだけで、希少性がより高まり、顧客に「やりたい・買いたい」という気持ちを引き出すことができます。
適度な制限を設けることで、逆説的に顧客の関心を引き付けることができるといえるでしょう。
スノップ効果|限定品に弱いワケ
人々は自分を特別だと感じたいと思う傾向があります。
スノップ効果は、人間の所有欲や差別化欲求に基づいた、希少性や独自性のある商品に強く惹かれる心理現象です。
たとえば、「限定生産」「カスタムメイド」といった表現を使うことで、商品の価値を高め、購買意欲を刺激することができます。
他にも「あと少しで売り切れ」「残りあと◯個」「今週限定セール」などの文言も、早く購入しなければ手に入らなくなるイメージを伝え、購入意欲を掻き立てることが可能です。
商品やサービスに希少性や独自性を持たせて、効果的に顧客の心を掴むことが大切です。
一貫性の法則|一度決めたことは変えたくない
一貫性の法則とは、人々は一度決めたことを変更したくないという心理的な傾向を持っているという現象です。
人は自分の決定が矛盾していると感じたくないため、過去の選択に対して一貫性を保とうとし、選択を変えることに対する心理的な抵抗が起こります。
たとえば、特定のブランドのシューズを購入する顧客は、別のブランドから「もっと良いシューズ」が提案されても、初めに選んだブランドに忠実であろうとして購入を避ける傾向があります。
つまり、一貫性の法則を活用してマーケティングを進めるなら、以下のアプローチが効果的です。
- 小さな提案から徐々に大きな提案に広げていく
- 購入済み商品のセットやリニューアル商品を提案する
- 顧客のこれまでの購入商品を認めたうえで追加提案する
一貫性の法則を活用すれば、一回の購入単価を上げたり、新商品の訴求がしやすくなるでしょう。
決定回避の法則|選択肢が多いと決められない
決定回避の法則とは、選択肢が多すぎると決定を避けてしまうという心理的傾向のことです。
人は選択肢が多いと、選択にかかる負担が増すことから、決定を先延ばしにしたり最終的に選ばないという結果になりやすくなります。
たとえばECサイトで消費者がダイエットサプリメントを購入する際に、100種類以上の異なるサプリメントが表示されたとしましょう。
100種類もの選択肢があることで、消費者はどれを選んだら良いか迷い、最終的に「どれも選ばない」という決定に至る可能性があります。
ECサイトとしては顧客に選択肢を与えたい意思があったとしても、多すぎる選択肢は決定回避の法則によって売上の機会を失うリスクになりかねません。
選択肢は適切に絞り込む、もしくはいくつかに絞って提案することが大切です。
ECサイトであれば、簡単なアンケートを実施して顧客ごとにおすすめの商品を3つほどに絞って提案するのも良いでしょう。
返報性の原理|何かしてもらったら返したくなる
人は他者に恩を感じた場合、その恩を返すことによって社会的な調和を保とうとする傾向があります。
返報性の原理とは、誰かから何かをもらうと、その人に対してお返しをしたくなるという心理的原則です。
たとえば、あるカフェが新規顧客に無料のドリンクを提供した場合、そのお客さんは感謝の気持ちから、次回もそのカフェで購入しようとする傾向が強くなります。
無料カウンセリングや無料相談会など、企業が無料の取り組みを行っているのは、実は返報性の原理を活用して商品の販売に繋げようとしていると考えられます。
初回プレゼントとして、次回から使えるクーポンを渡せば、次の購入に繋げやすくなるのでおすすめです。
相手のお返ししたくなる心理を活用して、マーケティング戦略を立てることで、企業側も相手側も心地よい関係性を作ることができるでしょう。
購買意欲を高めるには口コミの活用もおすすめ
購買意欲を高める上で、口コミの活用は非常に効果的です。
なぜなら口コミは、消費者の信頼を得やすい情報源だからです。
人々は企業の広告よりも、実際に商品を使用した人の意見を信頼する傾向があり、売上向上や信頼性の確保には口コミの収集や分析が不可欠です。
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