マーケティングの分野で使われている言葉に、「サードパーティー」があります。
「サードパーティー」はさまざまな業界で使用されている言葉であるため、業界ごとの意味や活用法を知ることが重要です。
特にサイトに訪問する顧客のデータを分析したい事業者にとって、パーティーデータやクッキーの知識は必須です。
今回の記事では、サードパーティーの概要やファースト・サードパーティーデータとの違い、クッキーとの関係性や具体的な活用方法まで詳しく解説します。
サードパーティとは?ファースト・セカンドとの違いを解説
そもそもサードパーティとは何なのでしょうか?
用語だけ知っているけれど、具体的な説明ができないという人もいるかもしれません。
ここからは、サードパーティの概要やファースト・セカンドパーティーとの違い、具体的な事例を詳しく紹介します。
サードパーティとは当事者とは直接かかわりのない「第三者」
サードパーティーとは、英語の「Third Party」や「3rd」からきている言葉で、当事者とかかわりのない「第三者の企業」「第三派閥」「第三者の企業」などの意味です。
外部から関わる人(事業者)のことで、主にIT分野において使われます。
サードパーティーがいることによって自社の事業が加速度的に発展することがあります。
例えば、Nintendoのようにゲーム機本体を開発・販売する企業(ファーストパーティー)が、カプコンのような外部の企業にゲームソフトの開発を依頼したとき、依頼を受けた外部の企業がサードパーティーにあたります。
サードパーティのアプリ・サービスとは運営プラットホーム以外が作成したもの
サードパーティのアプリやサービスとは、特定のアプリやサービスに対する非純正の関連したアプリやサービスのことを指します。
多くのユーザーのいるTwitterにも、サードパーティのアプリが存在しており、「Twitter Inc.」以外が提供しています。
Twitterのサードパーティのアプリである「ついっぷる」ではデザインをカスタマイズが可能で、「twitcle」ではタイムラインのツイートを吹き出しで表示可能です。
ただし、純正ではないため、不具合が生じた際に運営会社からのサポートは受けられません。
サードパーティクッキーとはユーザー属性などの情報を取得するツール
クッキー(Cookie)とは、WebサイトからWebブラウザに渡すデータのことです。
同じブラウザからログインする際、このデータをやり取りすることで、パスワードやIDを再入力せずにログインしたり、表示されるコンテンツをユーザーに合わせて変えたりできます。
「ファーストパーティークッキー」とはユーザーの訪問したサイトから発行されるクッキーのことです。また「サードパーティークッキー」とは掲載されている広告などから発行される実際に訪れていないサイトから発行されるクッキーのことをいいます。
近年プライバシー保護の観点から、サードパーティークッキーを標準でブロックするブラウザが増えました。さらにサードパーティークッキーの規制が強まり、段階的に2024年から廃止されることが決まりました。
サードパーティークッキーの廃止により、リターゲティング広告や行動ターゲティング広告などが困難になる可能性があります。
サードパーティを含めた0・1・2・3PAS(Party Ad Serving)の違い
サードパーティデータに似た言葉に、「ファーストパーティデータ」「セカンドパーティデータ」「ゼロパーティデータ」があります。
ここでは、それぞれのデータタイプの特徴から、サードパーティとの違いについて紹介します。
ファーストパーティデータとの違いは収集側の種類
ファーストパーティデータとは、サイトを訪問したユーザーや顧客などから、顧客管理システム内のデータや購読データ、個人を特定できる情報などを自社が直接収集したデータです。
オンライン、オフラインに関わらず自社で直接情報を収集するため、情報の出所が確かです。
また、「誰が」「いつ」「どこで」といった関連情報も明白であるため、ファーストパーティデータの信頼性は高いといえます。
一方、サードパーティデータは、自社以外の第三者のサイトや情報など複数のプラットホームから収集したデータです。
ユーザーから直接収集したデータではないため、自社のサービスや商品との関連性が低かったり、正確性や品質が低かったりする可能性があります。
セカンドパーティデータとの違いは収集者(他社)の所有の有無
セカンドパーティデータとは自社が収集したデータではなく、他社が収集したファーストパーティデータのことです。
特定のパートナー企業から、クッキーが含まれているファーストパーティデータを購入したり、提携することでアクセスできる外部データです。
セカンドパーティデータは、データの充実や新規顧客の開拓のために活用されます。
また、データを購入することでユーザーの訪れたサイトが特定でき、リアルタイム性のあるマーケティングが可能です。
サードパーティデータは完全な外部機関であるため、ユーザーが訪れたサイトの特定はできません。
ゼロパーティデータとの違いはユーザーの主体性
ゼロパーティデータとは、ユーザーが意図的・積極的に自社へ共有してもらうデータです。
このとき、ユーザーが購入したものの履歴やwebの閲覧履歴などの情報は、ユーザーの意図に関係なく収集できるため、ファーストパーティデータに該当します。
ゼロパーティデータは、購入意思や個人的背景などの情報も含まれています。
また、ヒアリングやアンケートによってユーザー自身が回答するため、信頼性と正確性が高いデータの収集が可能です。
サードパーティデータは、プライバシーの侵害になる可能性がありますが、ゼロパーティデータはプライバシーを尊重した情報収集ができます。
関連記事:ゼロパーティデータとはなに?注目されている理由と獲得方法について紹介
(補足)デモグラフィックデータとサイコグラフィックデータ
デモグラフィックデータとは公的データでもあり、人口統計学的なデータのことです。
デモグラフィックデータの収集は比較的容易であることが特徴です。
しかし「ユーザーがなぜそのサービスや商品を購入したのか」といった要因分析には適しません。
デモグラフィックデータで得られる項目の例は、以下の通りです。
・性別
・年齢
・職業
・住所
・未婚・既婚
・家族構成 など
サイコグラフィックデータとは、デモグラフィックデータのような客観的な要因ではなく、心理学的要因のことです。
心理学的要因とは、個人の内面に関わるデータであるため収集が難しく、得られたデータが自社のサービスや商品に合わないことがあります。
以下は、サイコグラフィックデータで得られる項目の例です。
・趣味
・好み
・性格
・価値観
・ライフスタイル など
(補足)CDPとDMP
CDPとは、Customer(カスタマー)、Data(データ)、Platform(プラットフォーム)の頭文字を取った略称のこと。
ユーザーの属性データや行動データを収集し分析するためのデータプラットフォームです。
CDPでは主に「データの収集」「データの統合」「データの分析」ができ、CDPで収集できるデータは、ファーストパーティーデータに含まれます。
また、自社で収集したデータの他にも、第三者からのサードパーティデータとの連携もできます。
そのため、CDPではファーストパーティーデータとサードパーティデータを組み合わせた分析が可能です。
DMPとは、Data(データ)、Management(マネジメント)、Platform(プラットフォーム)の頭文字を取った略称です。
インターネット上に存在する、膨大な情報を管理するためのプラットフォームです。
DMPには、自社では管理できないサードパーティデータを管理する「オープンDMP」と、ファーストパーティーデータを管理する「プライベートDMP」があります。
サードパーティデータの例・活用方法2選
サードパーティデータは、自社ではない第三者から収集するデータであり、プライバシー保護の観点から規制されつつあります。
ここでは、サードパーティデータの例・活用方法について紹介します。
WEBの効果測定|カスタマージャーニー・アトリビューション分析
サードパーティデータは、ユーザーが訪れたサイトの情報やユーザーの属性などのファーストデータではなく、直接自社とは関係のない情報が多く含まれています。
また、ファーストパーティデータやセカンドパーティデータに比べると、正確性や信憑性が低いため、サードパーティデータを活用する際には信用性のチェックをしましょう。
具体的な活用方法は、カスタマージャーニーやアトリビューション分析です。
カスタマージャーニーとは、ユーザーの行動や感情、考えなどを可視化したもののことをいいます。
アトリビューション分析とは、Webサイトで得られる成果に貢献しているかを測定する分析手法です。
リターゲティング|ユーザー行動の追跡
リターゲティングとは、インターネット広告のターゲティング手法のひとつです。
過去に自社のサイトを訪れたユーザーに対し、再度自社の広告を配信することです。
その時に利用されるクッキーは、サードパーティクッキーです。
ただし、サードパーティクッキーはプライバシー保護の観点から規制が強化されており、段階的に廃止されます。
現在、サードパーティクッキーを利用したターゲティングをしている企業は、今後リターゲティング広告への規制が厳しくなるため、他の方法を今から検討しましょう。
今後、サードパーティデータの収集に関する規制へ
サードパーティデータによるクッキーデータの収集は、今後段階的に廃止されます。
そこで、ここではサードパーティクッキーの廃止される時期や、ポストクッキーについて紹介します。
【いつ?】規制される日は延長されつつも順次廃止へ
Googleは、2022年の1月までにサードパーティクッキーの廃止を発表しましたが、2度延長され、現在(2023年3月)では2024年に延長されました。
延長された理由は、プライバシー保護技術である「プライバシーサンドボックスAPI」をテストすることに時間がかかるためだと言われています。
サードパーティークッキーの規制はGoogleだけではなく、他の企業でも順次始まっています。
ポストクッキーにおけるデータ収集の動向
クッキー情報が規制されるポストクッキーの時代になると、プライバシーの保護の観点から、クッキーで取得したデータを用いたこれまでの手法が使えなくなります。
そのため、ECサイトでは、自社のサービスや商品を利用したユーザーから提供される口コミを分析するなど新しい試みが必要です。
口コミで得た情報を生かし、サービスや商品の分析、改善を行いましょう。
まとめ
サードパーティデータとは、自社ではない第三者から収集するデータのことをいいます。
サードパーティデータは、プライバシー保護のため段階的に廃止されることが決まっています。
ECサイトではヒヤリングやアンケートの他にも、自社のサービスや商品の口コミをしてもらう仕組みを作ることで、ユーザーの情報収集が可能です。
クッキーの廃止に備え、ユーザーからデータを提供してもらえる仕組み作りの準備をしておきましょう。
ReviCoでは、サードパーティデータに代わるゼロパーティデータ、すなわち口コミにかかわるサービスを提供しています。
口コミの「促進→収集→分析→改善」というECサイトでのレビューマーケティングを網羅したプラットフォームです。
レビューマーケティングで、ポストクッキー時代を上手く乗り切りましょう。詳しくはお問い合わせください。
良質なレビューをカンタン収集
運用負荷なくEC購入率大幅アップ
”自走する”レビューマーケティングプラットフォームReviCoサービス資料資料のご請求