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2022/05/18バタフライサーキットから見る消費者の購買行動とレビューの関係

コラム

今日の消費者の情報探索行動は、従来とは異なり、マーケターが予想もつかないような不規則な動きをしています。
例えば、調べだしたことを突然調べなくなったり全く別のキーワードで検索をしたり、期間を空けて思い出したようにまた調べだしたり、、、。
皆さんもそのような経験があるのではないでしょうか。
このような情報探索行動に人々を掻き立てる理由として、8つの潜在的な動機があるとGoogleは提唱しています。

この記事では、バタフライサーキットについて詳しく紹介するとともに、新しい情報探索行動とレビューの関係についてご説明します。

バタフライサーキットとは?情報探索を掻き立てる8つの動機

Googleが提唱する情報探索をかきたてる8つの動機とレビューの関わり
出典: Think with Google 2020.1

情報探索行動を掻き立てる8つの潜在的な動機は、「さぐる」「かためる」の2種類にわけられます。
「気晴らしさせて」「学ばせて」「みんなの教えて」「ニンマリさせて」の 4つは、人々が選択肢を探ろうとしているモードで、「納得させて」「解決させて」「心づもりさせて」「答え合わせさせて」の 4つは、選択肢を固めようとしているモードと言えます。
「さぐる」検索と「かためる」検索は、まず「さぐった」うえで「かためる」という一方方向だけではありません。
選択肢を固めてきているにもかかわらず、新たな選択肢を広げようとしたり、なんとなく検索して見つけた商品を突然ためらいもなく購入するなど、「さぐる」「かためる」を行ったり来たり繰り返す情報探索行動を私たちは日常的に取っています。

「さぐる」「かためる」をいったりきたりするバタフライサーキットの図
出典: Think with Google 2020.1

このような、情報探索行動がぐるぐるとサーキット状に広がり蝶(バタフライ)のように見えることからGoogleは、「バタフライサーキット」と名付けました。

バタフライサーキットはパルス消費につながる

知りたい情報を「さぐる」、認識や意思を「かためる」を繰り返す「バタフライサーキット」を行うことで、パルス消費をしやすくなります。
従来の消費行動は、以前から気になっていたものについて繰り返し調査を行い、他の商品と比較検討した上で購入を判断することが基本的なプロセスでした。
しかし、インターネットの技術が進みスマートフォンが普及した現代では、ある商品の情報を収集している間に別の商品を発見し、即座に購入するケースが目立っています。
商品情報の間を行き来するバタフライサーキットが、パルス消費を引き起こす引き金となっているのです。

パルス消費とは|インターネット上での即座の消費行動

パルス消費とは、インターネットで情報を閲覧しているうちに商品を購入したい衝動に駆られ、突発的に購入する消費行動を指します。
多くの場合、商品を発見してから購入に至るまでの速度はずば抜けていますが、パルスが発生してから(=商品を購入したい衝動に駆られてから)購入に至るまで時間を要するケースもあります。

衝動買いとの違い

衝動買いは「無くても別に困らず買う予定もなかったが、偶然目に入ってどうしても欲しくなったもの」に対する消費行動であり、しばしばムダ遣いの代表例としてやり玉に上がります。
パルス消費は「日常的に使うものであり、商品・サービスについて納得し、なによりも直感的によいと感じたものが偶然見つかった」際に起こる消費行動です。

これまでの消費行動との違い

従来の消費行動は「カスタマージャーニー型」と呼ばれ、商品を発見し情報の収集や他の商品と比較検討してから購入の有無を判断します。
AIDMA(=アイドマ)を基軸とした考え方であり、購入までに段階を踏むことが特徴です。
AIDMAとは、以下のプロセスを順番に踏んだうえで、購買行動として現れる代表的なモデルのことです。
A(Attention):注意を引く
I(Interest):興味を示す
D(Desire):欲しいと感じる
M(Memory):記憶に残る
A(Action):購買行動に至る

一方、パルス消費は、潜在的な欲求を満たすものが見つかった際、買い物への意欲が瞬間に起こり、即座に購入を決定します。
潜在的な欲求を満たすものには、以下の6つのポイントが挙げられます。
・For me:自分軸に合うもの
・Follow:売れているもの・評価の高いもの
・Adventure:興味をひくもの
・Safety:安心かつ安全なもの
・Cost save:お得感があるもの
・Power save:買う労力を減らせるもの

パルスの発生は、趣味で利用するようなものではなく、普段使いのものに多い傾向です。

バタフライサーキット5つのパターン

バタフライサーキットには5つの購買行動のパターンがあります。
Googleによる各業種商品購入者に対して実施したインタビューと検索データ分析およびアンケート調査の結果から、バタフライ・サーキットには「全方位型」「主観型」「慎重型」「真面目型」「瞬発型」の5つのパターンが存在することがわかりました。
また、これらのパターンは、買い物の商材によって、現れ方が異なります。

情報探索の8つの動機とバタフライサーキットの5つのパターン
出典: Think with Google 2020.1

各業種別に見る5つのパターンの割合

購買行動の5つのパターンは、Googleが調査した各業種(車、不動産、スキンケア、旅行、生命保険)では下記のような割合で存在します。

※このグラフにおける「旧来型」とは、バタフライサーキットを起こさない、情報探索の目的が「知らないことを知る」というところにほぼ限定される人たちを示します。

業種ごとにことなるバタフライサーキット5つのパターンの割合
出典: Think with Google 2020.1

スキンケア市場を見てみましょう。
スキンケアの情報探索を行うユーザーは全方位型が多くなっています。
全方位型は、「さぐる」「かためる」をバランスよく繰り返しているため、スキンケアについて調べて情報を集めることが趣味になっている人がいるということが想像できます。
また、オンラインtoオフラインの慎重型よりもオフラインtoオンラインの真面目型が多い結果に。
これは、デパートのコスメ売り場からEコマースへのシフトを意味していると考えられます。

逆に、主観型が見られないのも大きなポイントです。
スキンケアや化粧品関連のアイテムは、他人の評価を気にせず主観で決定するよりも、「みんなの教えて」や「にんまりさせて」の検索動機のように、周囲の意見や評価を知りたいという気持ちが強くなる商材であるからかもしれません。

実際にスキンケア関連のECサイトでは、多数のレビューが寄せられております。
投稿された口コミには、使用感や付け心地、使用するシーンなどのコメントから、投稿者の年代や肌質などの属性まで、細かな情報が発信されます。
世間や周りの人が選んでいる商品・サービスを知り、その評価がどうであるかを把握したいという気持ちがレビューによって満たされ購入に繋がるきっかけになります。
スキンケア市場のような購買行動パターンがとられる商材を扱う企業やECサイトにとっては、レビューやSNSなどのUGCは必要不可欠になるのではないでしょうか。

実際のレビュー(写真の投稿やメイク方法などリアルな感想)

参考:ADDICTION(アディクション) ザ アイシャドウ

実際のレビュー(使い心地や使用シーンなど)

参考:KOSEエイジングケアブランド 米肌(まいはだ) 澄肌日やけ止めジェル

バタフライサーキットとレビューの関係

情報探索行動の8つの動機のうち、「みんなの教えて」「心づもりさせて」「答え合わせさせて」には、世間や周りの人が商品・サービスに対してどのようなことを感じ、どういう体験をしたのかについて知りたいという気持ちがあります。
それを知ることで不安が解消され、自分の得た情報に自信をもったり妥協点を見つけることができるため、この瞬間にパルス消費※が起こる可能性が高まります。
これらの情報探索の動機がある人には、UGCであるユーザーレビューが重要な役割をもちます。

※パルス消費について詳しくはこちら(外部サイト)

レビューと関わりのある3つの検索動機
出典: Think with Google 2020.1

■みんなの教えて
レビューは、企業側が発信する正式な情報以外に、購入者がなぜその商品・サービスを選んだのか、その商品・サービスを選んで生活がどのように変わったのかという、よりリアルで詳細な情報を知ることができます。

■心づもりさせて
購入者が商品・サービスにネガティブな印象をもつ部分は人それぞれですが、特に自分が気になるであろう商品・サービスの仕様について事前にネガティブなレビューを確認しておくことで、期待値を下げておくことができ、購入後の後悔を避けることができます。

■答え合わせさせて
レビューによって、気になっている、または良いと思っている商品・サービスが世の中でどんな評判なのか、実際に購入・体験した人はどうだったのかを確認することができます。
他にも、衝動買いしてしまった商品・サービスについて、自分の選択が間違っていなかったことを確認する際にもレビューは有効です。

このように、レビューは一部の検索動機に貢献するツールであり、バタフライサーキットの中でレビューがパルス消費を起こす一つの要因になることがわかります。

消費者自身も気づいていない「実はだいじ」

ここまで、バタフライサーキットについてご説明しましたが、そもそもバタフライサーキットはいつ始まっているのでしょうか?
私たちは毎日膨大な量の情報を目にします。
その中から無意識に自分が必要だと思う情報を選択してそれに注意を向けています。
そのため、人は何かしらのモチベーションで情報を探索すれば、バタフライ・サーキットがオンになっているのです。
バタフライ・サーキットがオンになっている状態は、本人も自覚がない段階からはじまっています。
時にバタフライ・サーキット上での発見に運命のようなものを感じることがありますが、それはもともと本人の中にこうであればいいなぁという、おぼろげな願いがあるからです。
消費者の中には、自分のもっているおぼろげな望みや願いがあり、バタフライサーキットをしながらその願いのイメージを探しているのです。
それが、バタフライサーキットという情報探索行動を観察した中でGoogleが発見した「実はだいじ」です。

パルス消費を引き起こすためには

パルスを発生させ購入へと促すためには商品をカテゴリーごとに紹介し、判断基準としてレビューを公表することがポイントの一つです。
ユーザーはレビューを読むことで、知名度が高い王道の商品から隠れた名品、需要に応じてカスタマイズされたものまでを一気に吟味できます。
レビューはパルスの発生を作り、検討している商品の購入を後押しする役割を担います。
また、生産地・成分・材料などの商品情報や関連商品、アフターサービスなどを直観的に分かりやすく載せることも重要でしょう。

ユーザーに「自分に合った安心・安全な商品」と意識させることが、パルス消費を引き起こす引き金となります。
「データ収集アルゴリズムの利用」「購買意欲を高めるホームページの設計」「レビューの投稿を自発的にしたくなる仕組み」や、パルスを引き起こす6つのポイント「For me・Follow・Adventure・Safety・Cost save・Power save」に着目することで、サイト利用者数の上昇に大きく期待できます。

「実はだいじ」を見つけるレビューの可能性

今後のマーケティングにおいては、この消費者がもっているおぼろげな願いをいかにブランドや商品・サービスと関連付けるかが非常に大事です。
消費者が商品やサービスを手に入れるにあたって、本人でさえ気づいていない「実はだいじ」なことを汲み取り、それに寄り添おうとすることが大切です。
そのためには、消費者を共通属性の集団として捉えた企業発信のマーケティングではなく、個々の属性を分析し、消費者視点でのマーケティング活動が必要です。
レビューは消費者のリアルな感想や意見が集まるため、「実はだいじ」が含まれている可能性が大いにあります。
ECサイトにレビューを活用することにより、消費者の「実はだいじ」を企業側が汲み取るきっかけに繋がったり、時には消費者が自分の「実はだいじ」に気付き、それをシェアしたりできる場となるかもしれません。

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NPS(ネットプロモータスコア)も取得できるため、分析した内容を商品開発やファンマーケティングに活かして頂くことが可能です。
単なるレビューの最適化にとどまらず、集めたユーザーの声やUGCをマーケティングや改善活動に活用して頂くことでユーザーの購買体験を向上させることを目指しています。

レビューの運用やレビューを活用したマーケティング、UGC等について、お気軽にこちらまでお問い合わせください。


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