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2022/02/24NPS®(ネットプロモータースコア)とは? 顧客満足度を図る指標について解説

コラム

NPS®とは?

「NPS®」とは、ネットプロモータスコア(Net Promoter Score)と呼ばれる、「顧客ロイヤルティ・愛着度を測る指標」です。

推奨度合いを0~10の11段階で評価してもらう手法で、企業やブランドに対してどれくらいの愛着や信頼があるかを可視化することが可能です。一般的にNPSが高いお客様は、商品やサービスのファンであり、長期的に商品やサービスを利用いただけるようなお客様が多いとされています。欧米の公開企業では3分の1以上が活用しているとも言われており、日本でも顧客満足度に並ぶ新たな指標として注目を浴びています。

NPS®と顧客満足度の違いは「業績との関係」

お客様の満足度を知る指標としてよく使われるものが、顧客満足度とNPS®︎です。
2つの大きな違いは「業績につながるかどうか」にあります。
顧客満足度は、商品やサービスにおける現時点での満足度合いを点数化したものであり、以後の売上に直結するとは限りません。
一方で、NPS®︎は将来の業績につながる指標といえるでしょう。
NPSR?では「他人に勧められるかどうか」をユーザーへ質問し、得た回答を得点化します。
高得点を付けた顧客ほどリピーターになりやすく、反対に低い得点では再購入の可能性が低いとされているため、ロイヤルティの高いユーザーや長期的な業績予測に役立ちます。
また、顧客満足度の向上に役立つ内容としては「グッドマンの法則」にも目を向けることがおすすめです。
グッドマンの法則についてはこちらで詳しく解説しています。
ぜひご参考にお役立てください。

関連記事:グッドマンの法則とは?口コミ・レビュー・VOCの活用事例でわかりやすく解説

eNPS®とは|従業員の満足度

eNPS®︎は「自分の勤務先を親しい人にどれほど勧めたいか」を尋ねて、従業員の職場に対する推奨度合いを数値化したものです。
NPS調査をしていたApple社が自社で働く従業員のエンゲージメントを数値化し、評価を可視化できるように転用したことが始まりといわれています。
eNPS®︎は「親しい人」へ職場をどの程度勧めたいかを尋ねるため誠実に回答する場合が多く、従業員の本音が現れやすい傾向にあります。
また、離職のリスクが高い従業員やエンゲージメントの高い従業員の把握にも役立つでしょう。
従業員満足度の向上には、VOCに注目することがおすすめです。
VOCについての詳細はこちらで詳しく解説しています。
ぜひご参考にお役立てください。

関連記事:VOCとは?マーケティングでの分析手法・顧客の声の集め方、レビュー事例を解説

NPS®の取得方法は?

NPS®は一般的には半期に一回などの定期的な取得やイベントなどの都度アンケートとして取得する方法、そして定常的に無作為で取得する方法があります。

前述のイベント時のアンケート以外にも、お店やECサイトでの購入時やメールなどでアンケートとして依頼し取得するケースも増えております。

以下の図のような11段階のNPS®の設問と併せてコメントや選択肢のアンケートを取ることも多くなっております。

「友人や家族等に商品を推奨する」意向確認する項目と併せて、その理由や属性などを聞く事で、分析などのセグメンテーションに利用できるようにすることが大切となっております。

NPS®が向いている業種は?

NPS®は近年、メーカーだけでなく、アパレル企業や小売、飲食店などでも広がっており、様々な業種で取り組みが進んでおります。NPS®は業績との相関関係が高いと言われており、特にファンマーケティングに力を入れている会社やCS、接客などの改善に力を入れている会社の指標として活用が進んでおります。ファン度やCS、接客の質を上げるためのPDCAを回していくにあたり、その可視化や改善ポイントの収集をNPS®や付帯する設問と組み合わせることで顧客のロイヤリティを計ることが可能となります。

NPS®を計算・集計する方法

ここからは、NPS®︎を計算・集計する方法について詳しく解説します。

回答者の分類方法

NPS®の回答者は回答した数値によって以下のような3グループに分けることができます。

  • ● 0~ 6点の回答者を「批判者」
  • ● 7~ 8点の回答者を「中立者」
  • ● 9~10点の回答者を「推奨者」

それぞれの特徴は以下となっています。

  • ● 批判者:商品やサービスに満足しておらず、推奨もしたくない
  • ● 中立者:商品やサービスには満足しているが、推奨にまでは至らない
  • ● 推奨者:商品やサービスに満足しているだけでなく、推奨もしたい

集まったデータの中でどの回答者が多いかによってNPS®が変わってきます。

NPSの計算方法

次にNPS®の計算方法をご紹介します。

NPS®の値は、推奨者の割合から、批判者の割合を引くことで求めることができます。

NPS®=「推奨者」の割合-「批判者」の割合

例えば、200人回答のうち、9~10点の回答者を「推奨者」が80人、0~6点の批判者が40人の場合、推奨者の割合は40%、批判者の割合は20%となり、
NPS®は「40ー20=20」となります。※NPS®の値は数値で表記され、%の表記は省きます。
推奨者が多く、批判者が少ないほどスコアは上がります。

NPS®の分析方法

レビュー最適化ツール「ReviCo」では、レビューアンケートと併せてNPS®の分析方法を収集することが可能となっておりますが、収集したNPS®の分析方法は以下のようなグラフや割合チャートなどで推奨度のスコア分布が期間ごとに分析することができます。

CSや接客などの改善施策のPDCAを実施し、スコアの改善が図られているか確認可能です。

加えてNPS®の分析方法と同時に用意している推奨する理由のコメントには、”店頭とWebのサービスの違いについての不満”であったり、”店頭のスタッフの接客・応対の問題”、”サイトの使い勝手”などサービス面、接客面などのご意見も多く寄せられております。
また、レビュー収集時には年代や性別などの属性も収集しており、NPS®の分析方法の設問に答えていただいた方の属性別のスコアも把握可能であったり他社との数値比較も可能となっております。

NPS®を活用することのメリット

NPS®︎は質問と回答が非常にシンプルであり明確な数値で表せるデータのため、専門知識がなくとも理解でき管理も容易なことがメリットです。
質問は1つであり内容も統一されているため、業界内での自社の立ち位置を簡単に把握できることも特徴の1つといえます。
さらに、NPS®︎は業績への関連性が高いといわれているため、導き出された数値を参考に業務の改善を行うことで収益や事業の成長へつなげられるでしょう。

また、NPS®︎を活用したマーケティングを行う方法もあります。
詳細についてはこちらをご参照ください。セミナーレポートでもNPS®︎の活用についてご紹介しております。

NPS®︎がマイナスになった際の対策

NPS®︎の数値は業種によって様々で、マイナスの数値となることは少なくありません。
良いサービス・体験よりも悪い経験が印象に強く残ってしまうことも多く、高評価よりも低評価が勝ってしまう場合があります。
NPS®︎の数値がマイナスであったとしても、そのことだけを評価するのではなく、どこに問題があったのかを把握することが大切です。
NPS®︎のコメントは通常のレビューのコメント(評価)とは異なり、サイトの使いやすさや配送・梱包など、企業・ブランド全体のサービスに関するコメントが多く寄せられる傾向にあります。
世間の自社に対するイメージを知れることもあり、改善だけでなくマーケティング活動に活かせる場合もあります。
以下は、実際にNPS®︎のコメントで寄せられた一例です。改善に活かせる貴重なヒントがあることがわかります。

ReviCoで収集したNPS®︎コメントの一例

寄せられたコメントがネガティブな場合は、低評価になってしまった原因が、商品の品質や価格にあったのか、店舗のサービスに問題があったのか等の分析のためにNPS®︎を活用しましょう。
ReviCoでは、レビュー投稿の際にNPS®︎を取得することができ、事業者側でアンケートなどを行う必要がないため負担なく収集することができます。

また、投稿者のプロフィールやレビューコメントと掛け合わせて分析することにより、CSへの反映や、商品・サービスの改善に活かして頂くことが可能です。

【業界別】NPS®に関する平均スコアの目安はいくつ?

NPS®︎はさまざまな業界で活用されており、平均スコアはそれぞれ異なります。
各業界ごとに分けたNPS®︎の平均スコアは、以下の通りです。

業種目安(pt)最大(pt)最大企業名
銀行−42.7−16.7住信SBIネット銀行
アパレルEC−20.1−13.7MAGASEEK
電力(東日本)−55.4−30.5東京ガス
電力(西日本)−53.1−39.9九州電力
生命保険−45.8−30.7プルデンシャル生命
生命保険(アフターフォロー)−55.2−41.2ソニー生命
生命保険(請求体験)−35.5−28.5アフラック
参考:NPS®(顧客推奨度)業界別ランキング2023(NTTコム オンライン・マーケティング・ソリューション株式会社)

例えば、アパレルECでは「商品における品揃えの豊富さ」や「コストパフォーマンスのよさ」「ポイントを貯められる・使える」などが評価されています。
一方で、「商品の質感」や「商品検索のしやすさ」などが改善点として挙げられました。
また、アパレルECを利用する人の多くが、時間や接客を気にせず商品をゆっくり選ぶことを目的としている傾向が、調査結果によって判明しています。
このように、評価の内容や改善点、利用の目的など、業績の向上に活用できるデータがNPS®︎によって生み出されるのです。

NPS®を導入する上で気を付けたいこと

日本のNPS®︎は日本人の特性として「中間」を選ぶ人が多く、全体的に低い傾向にあります。
NPS®︎での中間値は批判として捉えられてしまうため、平均スコアが低くなりやすいのです。
そのため、海外企業と比較する場合は、日本人の民族性を踏まえたうえで行う必要があるでしょう。
また、有効なスコアを算出するためには、アンケートを多数実施することがおすすめです。
なお、科学的根拠や信頼性の低さなどもデメリットにあげられます。
データを使用する際は、評価の基準や判断の理由を明確にすることが重要です。

まとめ

本記事では、NPS®︎について簡単にご紹介しました。
ReviCoでは高品質なレビューを継続的に集めるだけでなく、NPS®︎を収集する機能も提供しています。レビューやNPS収集についてぜひお問い合わせください。

主な機能:
「NPS®︎/ファン度投稿機能」
NPS®︎(推奨度)・ファン度(愛着度)の収集
理由(お客様の声)の収集

「 NPS®︎分析」
スコア分析
年代・性別毎のNPS®︎集計
ReviCo利用事業者の平均値との比較機能
スコア毎のフリーコメントのダウンロード機能


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