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2023/03/30ファンマーケティングの事例から学ぶ! ファンを呼びこむ戦略とは?

コラム

商品・サービスを継続して利用してもらえるファンに向けた施策は、マーケティングにおいて重要な要素のひとつです。
この記事では、ファンマーケティングに成功した企業の事例をご紹介します。

  1. ファンマーケティングとはファンを増やし売上を拡大する戦略
  2. ファンマーケティングの企業成功事例15選
    1. ヤッホーブルーイング|ペルソナ設定で差別化
    2. ワークマン|アンバサダーマーケティングの成功
    3. スターバックス|「スターバックスリワード」の会員制度
    4. チロルチョコ|「#おかしつなぎ」のTwitterキャンペーン
    5. スノーピーク|キャンプイベント「Snow Peak Way」
    6. ママリ|テレビCMとInstagramの両輪
    7. アニメイト|クラファンサイト「ソレオス」
    8. カゴメ|コミュニティ「&KAGOME」
    9. ブラックサンダー|「義理チョコ」のUSP
    10. 丸亀製麺|UGCを意識したTwitterプロモーション
    11. ベースフードラボ|顧客の声を軸に施策を展開
    12. 北欧、暮らしの道具店|独自カルチャーの展開
    13. マミーポコパンツ|Instagramの発信方針の転換
    14. AWS|「JAWS-UG」での勉強会等のコミュニティ
    15. オルビス|LINEからファン獲得までの導線設計
  3. ファンマーケティングを活用する4つのメリット
    1. ファンが売上基盤を強化する
    2. ファンが新しいファンを連れてくる
    3. ユーザーの声を獲得しやすい
    4. ファンがカスタマーサポートの役割を果たす
  4. ファンマーケティングで気を付けるべき3つのデメリット・注意点
    1. ファンマーケティングは時間がかかる
    2. 売上の安定は現状に満足してしまいやすい
    3. SNSには炎上リスクが伴う
  5. まとめ

ファンマーケティングとはファンを増やし売上を拡大する戦略

ファンマーケティングとは、自社および自社の商品の熱烈なファンを増やすことで売上を上げるマーケティング戦略をさします。
従来のテレビやマスメディアにアプローチするマーケティング手法は、企業から消費者への一方通行でした。
一方、SNSが発達した現代においては、消費者からも発信が可能です。
ファンマーケティングは、顧客が発信する口コミ、SNSの拡散力を生かすマーケティング手法として注目されています。

ファンマーケティングの企業成功事例15選

ファンマーケティングに成功した企業では、どのような施策を取り入れているのでしょうか。

ヤッホーブルーイング|ペルソナ設定で差別化

ヤッホーブルーイングは、「100人中1人に熱狂されるビール」を目指して詳細なペルソナ設定によるマーケティングを実施しました。

年齢や性別だけでなく、
・行動
・心理面
・ビールを飲む際のシチュエーション
・飲んだ後に感じること
などまでイメージしてペルソナ設定しています。

商品名やデザインも、設定したペルソナに近い人々へのアンケート調査をもとにしています。
こうして生まれたビールが、認知度も高い人気商品「水曜日のネコ」です。

ワークマン|アンバサダーマーケティングの成功

ワークマンは、ブログやYouTubeなどで活動していて、ワークマン商品の愛用者をアンバサダーにスカウトしました。
アンバサダーとの商品の共同開発や、メディアでのアンバサダーによる商品紹介を実施しています。
愛用者がアンバサダーであるため、よりニーズに合った商品の開発ができたり、アンバサダーの発信する情報に説得力が生まれたりして、売上の向上につながっています。

スターバックス|「スターバックスリワード」の会員制度

スターバックスは、ロイヤルティプログラムである「スターバックスリワード」の会員制度でファンを獲得しています。
会員になると、商品の購入でポイントを貯められ、一定のポイントで商品と交換できます。
また、貯めたポイントに応じて会員ランクが上がり、ランクが上がるほどよりお得な特典がもらえる仕組みです。
2022年12月31日時点の会員数は1,000万人を超えています。

チロルチョコ|「#おかしつなぎ」のTwitterキャンペーン

「#おかしつなぎ」は、チロルチョコがTwitterのハッシュタグを用いて実施したキャンペーンです。
このキャンペーンでは、ツイート拡散とチロルチョコのアカウントをフォローしたユーザーに対し、抽選でチロルチョコをプレゼントしました。
該当のツイートにおけるリツイートは7万件を超えており、Twitter広告を利用していないにもかかわらず、フォロワーはおよそ5万人増加しています。

スノーピーク|キャンプイベント「Snow Peak Way」

スノーピークでは、ポイントカード会員が参加できるキャンプイベント「Snow Peak Way」を年に6回ほど開催しています。
「Snow Peak Way」に参加すると、スノーピークの社員達やファンと交流できるのです。
アウトドアの楽しみ方や商品のレビューなどの情報を交換し、ファンの商品に対する思いをくみとる場として機能しています。
スノーピークは「Snow Peak Way」を通じてファンの声を取り入れ、商品の改良に生かしています。

ママリ|テレビCMとInstagramの両輪

ママリは子育て世代の母親を支援するサービスで、子育てに役立つ情報や、ユーザー同士で悩みを相談できるQ&A形式のコミュニティなどを提供しています。
ママリは、マーケティング施策としてInstagramとテレビCMの両方を活用しました。
テレビCMやチラシを通じてママリの認知度を上げ、ママリで得られた体験をInstagramで共有・拡散するよう誘導しています。
この施策によってユーザーが大きく増加し、コミュニティにおける投稿数は2倍に伸びました。

アニメイト|クラファンサイト「ソレオス」

フアニメイトでは、クラウドファンディングサイト「ソレオス」を運営しています。
アニメや声優への熱量とクラウドファンディングは親和性が高いと考え、「ソレオス」の運営を開始しました。
以前実施した「I★CHU PROJECT」では、達成金額に応じてファンへのリターンを増やすことで、ファンとともにプロジェクトを盛り上げました。
プロジェクト終了時には達成金額が7,700万円を超え、ファンとともにプロジェクトを達成できました。

カゴメ|コミュニティ「&KAGOME」

カゴメは、ファンの増加そしてファンと継続してつながることを目的に、会員制のコミュニティサイト「&KAGOME」を運営しています。
「&KAGOME」では、商品に対するファンの意見を聞くための座談会や、ファンと一緒に体験するための工場見学・トマト収穫体験などを実施しています。
「&KAGOME」での取り組みによって、新商品やカゴメのサウンドロゴなども登場しました。
「&KAGOME」の会員数は、2021年9月時点で4.9万人にのぼっています。

ブラックサンダー|「義理チョコ」のUSP

チョコレート菓子の「ブラックサンダー」を提供する有楽製菓は、ブラックサンダーが「義理チョコっぽい」点に着目しました。
バレンタインイベントで、「一目で義理とわかるチョコ」をキャッチコピーにした広告を出し、「義理チョコマシーン」と名付けた自動販売機を設置しました。
1週間、1日1,000個限定で実施されたイベントですが、毎日1〜2時間ほどで完売するほどの盛況ぶりでした。
自動販売機の前にできた行列はTwitterで拡散されて、大きな話題を呼びました。

丸亀製麺|UGCを意識したTwitterプロモーション

UGCとは、User Generated Contentsの頭文字で、一般ユーザーが投稿したコンテンツを指します。
丸亀製麺が実施したプロモーションは、UGCを意識したTwitterの活用です。
「#丸亀製麺カメラ部」のハッシュタグを用いた例では、ファンに対してうどんの写真を投稿するよう促しました。
ファンがツイートしたおすすめ商品や自己流のアレンジを拡散して、ファンとのつながりを強化することで、顧客のロイヤルティの向上につなげています。

ベースフードラボ|顧客の声を軸に施策を展開

ベースフードラボは、ベースフードが運営する顧客コミュニティです。ベースフードの定期購入者を中心とする会員に商品開発へ参加してもらっています。
会員からの商品の改善点や要望などの意見を取り入れ、商品の改善や新商品の開発に活かしています。
実際に改善したことや開発した新商品について、活動報告を通して会員に伝えられており、意見が取り入れられていると顧客が実感できる仕組みです。
こうした取り組みによって、ベースフードラボの会員数は1万人を超えました。

北欧、暮らしの道具店|独自カルチャーの展開

北欧、暮らしの道具店では、Webサイト・SNS・YouTube・自社アプリなどで、独自のカルチャーを展開してきました。
商品の販売だけでなく、暮らしに役立つコラムやオリジナルドラマなど、さまざまな方法で独自の世界観を発信し、多くのファンを獲得しています。
広告は重視しておらず、独自カルチャーの展開によって、2021年7月期の売上は45.3億円、営業利益率は17%を記録しています。

マミーポコパンツ|Instagramの発信方針の転換

マミーポコパンツは、ファンの反響に合わせてInstagramの発信方針を転換しました。
はじめはブランドイメージが伝わるような投稿が中心でした。しかし、次第にターゲットに有益な情報を提供する投稿に転換しました。
また、ストーリーズにある質問機能を用いて、ファンとコミュニケーションをとっています。
ファンとのコミュニティはInstagramの「親しい友達」機能を用い、コミュニティのメンバーに対して、限定の情報配信や新情報の先行配信を実施しています。

AWS|「JAWS-UG」での勉強会等のコミュニティ

AWSは、Amazon Web Servicesの略称で、クラウドコンピューティングサービスです。
「JAWS-UG」として組織化された同サービスの勉強会には、AWSを利用する人々が、学びや交流を目的に参加しています。
AWSのよりよい使い方や困ったときの対処法など、ユーザーの体験がコミュニティ内で共有されています。
120人から始まったコミュニティは、およそ40,000人にまで規模が拡大しました。

オルビス|LINEからファン獲得までの導線設計

オルビスの施策は、LINEを用いたファン獲得までにおける導線設計の実現です。
まず、LINEプロモーションスタンプで認知を向上させ、公式アカウントの友達追加を促しました。
次に、公式アカウントでチャット機能やセグメント配信を活用し、商品の購入を促して新規顧客を獲得しています。
最後に、顧客情報とLINEアカウントのID連携によって継続購入者を増やしました。
LINE公式アカウントを経由した2回目の購入経験者は、160.5%にのぼっています。

ファンマーケティングを活用する4つのメリット

ファンが売上基盤を強化する

ファンマーケティングは、パレートの法則に基づいています。
パレートの法則とは、20%の原因が80%の結果をもたらしているという法則を表す用語です。
ビジネスの場面では、20%の上位顧客が売上の80%をもたらしているというような現象を指します。
2割のファンを大切にすることで購入頻度・購入額が増え、売上の安定につながります。
顧客から生涯得られる利益(LTV)の最大化によって、安定した売上獲得につながる点がメリットです。

ファンが新しいファンを連れてくる

ファンは自発的に口コミを発信する傾向にあり、ファンの良い口コミを見込み客が共感・信頼し、顧客となり新たなファンとなることがよくあります。

ユーザーの声を獲得しやすい

商品・サービスに対する意見や感想は、一般ユーザーからは得ることが難しいですが、ファンからだと比較的容易に得られます。ファンからの商品・サービスに対する貴重な意見や感想を参考にして、商品・サービスの改善や開発ができます。

ファンがカスタマーサポートの役割を果たす

ファン同士で情報交換をしやすいため、カスタマーサポートの役割を果たします。
そのため、カスタマーサポートにかける人材や費用などの削減につながります。

ファンマーケティングで気を付けるべき3つのデメリット・注意点

ファンマーケティングは時間がかかる

ファンの獲得には時間を要するため、ある程度の時間がかかることを想定した長期目線でのマーケティング戦略が重要です。

売上の安定は現状に満足してしまいやすい

固定のファンがつくと売上が安定し、現状維持に満足してしまう可能性があります。
ライバルに顧客が奪われるリスクを考慮し、売上が安定してからも、新規ファンの獲得や既存ファンの満足度向上などを目指しましょう。

SNSには炎上リスクが伴う

ファンは、企業や代表者の言動もよくみています。
ファンマーケティングではSNSを活用するケースも多いため、発言には十分に注意が必要です。

まとめ

ファンマーケティングを活用すると、ファンの声に基づいた商品・サービスの改善や開発ができ、売上の安定や新規ファンの獲得にもつながります。

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