インターネットやSNSが日常となった近年、利用者からの口コミは消費者の購買行動のきっかけに大きな影響を与えるツールのひとつになりました。
ただ、口コミを販促に取り入れるには口コミの特徴や成功事例を知ったうえで対策を行うことが大切です。
今回は、口コミと販促の関係性や効果的な組み合わせ方、具体的な成功事例や注意点を詳しく解説します。
自社のECサイト運営で口コミを活用したいと考えている人や集めた口コミをどう取り扱えばいいか分からない人はぜひ参考にしてください。
口コミと販促の関係性とは?概要や組み合わせの効果を解説
口コミは企業の販促を加速させるツールのひとつです。
ここでは販促という言葉の定義や口コミと販促を組み合わせるべき理由を解説します。
- 販促の定義や口コミの立ち位置
- 口コミが販促拡大に効果的な理由
- 口コミと販促を組み合わせるための手段
それぞれ詳しく見ていきましょう。
販促の定義や口コミの立ち位置
販促とは、商品やサービスの売上を増加させるためのさまざまな活動全体を指します。
販促の施策の事例を挙げると以下のとおり。
- 消費者への商品サンプルの配布
- 割引クーポンの配布
- ポスティング
- イベントの企画・運営
- 自社サイトでの商品紹介
口コミは、販促という活動の中で活用できるツールのひとつです。
たとえば、口コミを投稿した人に割引クーポンを発行する仕組みを作れば、口コミをきっかけに顧客との接点を作ることができますし、投稿された口コミを自社商品のPRとして活用すれば、将来の顧客に自社商品の魅力を第三者の意見から伝えることが可能です。
口コミは他の販促手法と比べて信頼性が高く、消費者の購買行動に直接的な影響を与えると考えられています。
口コミが販促拡大に効果的な理由
さまざまな情報をインターネットで気軽に調べられるようになった現在、口コミなどの第三者からの情報発信は購入の後押しになっています。
株式会社KDDIエボルバの実施した調査によると、良い口コミによる購入決定経験があると答えた人は全体の98.4%というデータも。
引用:[EC・通販ユーザー動向調査レポート2021“確報版”]
回答結果を見ると、企業からの宣伝よりも、身近な人や実際の購入者からの体験談を信頼する人が多いことが分かります。
消費者の購入意欲を後押しするためにも、口コミを活用した販促活動を進めるのがおすすめです。
口コミと販促を組み合わせるための手段
では実際に口コミと販促を組み合わせる場合、どのような手段があるのでしょうか。
口コミを販促に取り入れる場合、自然発生的な口コミだけでなく、企業が口コミを誘発し、それを活用することで、より大きな販促効果が期待できます。
主な事例は以下のとおりです。
- SNSキャンペーンの実施
- インフルエンサーマーケティング
- 比較・レビューサイトの設置
- 顧客レビューの活用
どんなコンテンツを活用するかで、相性の良い口コミマーケティング施策は異なります。
他社がどのようなキャンペーンを実施してどんな結果になったかを分析すると、自社でキャンペーンを実施するときに役立つでしょう。
口コミを効果的に活用した販促・マーケティングの成功事例を解説
ここからは具体的な成功事例として、以下の3つの施策を紹介します。
- ベイクを買わない理由を買取|森永製菓
- ダイオウイカの天ぷらをエイプリルフールのネタに|はなまるうどん
- シェアしたくなるハッシュタグと体操動画企画|江崎グリコ
どの事例も、口コミを効果的に活用して販促を成功させています。
口コミを使ったキャンペーンを実施したい人や実際に取り組んでいるが成果が出てないと悩む人は、ぜひ参考にしてください。
ベイクを買わない理由を買取|森永製菓
森永製菓は、「ベイク」というチョコレート菓子の販促キャンペーンで、「買わない理由」を募集しました。
引用:[苦境逆手に、森永焼きチョコ「ベイク」の自虐ツイートに大反響]
「ベイクを買わない理由」という自虐的なネタを募集しただけでなく、買わない理由を買い取るという発想で話題を呼びました。
商品を買わない理由を聞くことは、自虐的な印象を与える反面、消費者の本音や潜在的なニーズを引き出し、同時に商品の認知度を高める効果もあります。
キャンペーンは想定以上の応募が殺到したことで、開始翌日の午後10時に終了しています。
一見マイナスに見えるような施策でしたが、ユーザーの口コミ投稿を促進しただけでなく、「ベイク」の認知度が大幅に向上し、結果として売上増加につながりました。
ダイオウイカの天ぷらをエイプリルフールのネタに|はなまるうどん
うどんチェーン店のはなまるうどんは、嘘をついてもいいとされる4月1日のエイプリルフールに、「ダイオウイカの天ぷら」という架空のメニューを発表し、SNS上で大きな話題を呼びました。
非現実的で面白いネタを提供することで、ユーザーの興味を引き、自発的なシェアや話題を取り上げてもらうことに成功しています。
公式Twitterアカウントでは、ダイオウイカのCG画像と共にダイオウイカ天のメニューやサイズ、価格を紹介し、多くのリツイートやいいねを獲得。
エイプリルフールのネタとして投稿したキャンペーンですが、ブランド認知度が向上し、結果として実際の来店客数増加にもつながったとのことです。
シェアしたくなるハッシュタグと体操動画企画|江崎グリコ
江崎グリコは「ポッキー」の販促キャンペーンで、TikTokを活用した口コミ戦略を展開。
「#ポッキー何本分体操」というハッシュタグと、ポッキーを使った体操動画を公開し、ユーザー参加型のキャンペーンを実施しました。
人気動画クリエイターに振付を依頼し、ユーザーがダンス動画を投稿したくなるような仕組みも組み込まれています。
若者をターゲットにしたキャンペーンの結果は、11日の間にオリジナル楽曲を活用した2万3,600本以上の動画が投稿され、動画の累計再生回数は2,730万回を超えました。
「ポッキー」の売上にも貢献し、若年層を中心に大きな認知を広げた企画と言えるでしょう。
口コミを使った販促を進める際のポイント・注意点とは?
口コミを使った販促は、必ずしも企業の思惑どおりに進むわけではありません。
ここでは口コミを使った販促を実施する際の注意点や活用のポイントを解説します。
- ステルスマーケティングと間違われないように対策を実施する
- 口コミを販促として二次活用するための許可取りを行う
- 悪い口コミが広がった際の対策を事前に考えておく
それぞれ詳しく見ていきましょう。
ステルスマーケティングと間違われないように対策を実施する
ステルスマーケティングとは「隠れ広告」とも言われ、消費者に特定の商品やサービスについて、宣伝と気づかれないように商品を宣伝する、もしくは商品に関するなりすまし型のクチコミを発信する行為を指します。
口コミキャンペーンは、取り扱い方を間違えるとステルスマーケティングと間違われる可能性があるため、注意しましょう。
対策すべき内容は以下のとおりです。
- 企業が関与している販促活動であることを明確に示す
- インフルエンサーとのタイアップでは投稿に「PR」「広告」などの表記を明記する
適切な表記を行うことで透明性が確保されるだけでなく、消費者からの信頼度も高まります。
口コミを販促として二次活用するための許可取りを行う
顧客の口コミを販促に活用する際は、投稿元からの許可をもらうことを忘れないようにしましょう。
著作権法や個人情報保護法に抵触しないためのルールを作成しておくと安心です。
レビューサイトやSNSでの投稿を広告に使用する際は、投稿者に直接連絡を取り、使用許可を得る、キャンペーン参加時にプライバシーポリシーなどの同意を得るなど方法はさまざまです。
事前に許可取りをしておくことで、法的リスクを回避でき、同時に顧客との良好な関係を維持できます。
悪い口コミが広がった際の対策を事前に考えておく
口コミは絶対に良い口コミばかりが集まるとは限りません。
悪い口コミへの対処は、対応を誤ると炎上するリスクがあります。
拡散を最小限に抑え、ブランドイメージの低下を防ぐためにも正しい行動を社内全体で共有しておくことが重要です。
カスタマーサポートチームを強化する、マニュアルを作成して共有するなどの対策が効果的です。
悪い口コミに関する対応は、こちらの記事も参考にしてください。
関連記事: https://www.revico.net/2023/03/30/column/negative-review/
まとめ
今回は、販促に口コミを取り入れるための方法や具体的な成功事例、キャンペーンを実施する際の注意点を紹介しました。
口コミを使ったキャンペーンやイベントは商品に対するユーザーからの生の声を受け取ることができるメリットだけでなく、新たな消費者が商品を購入する後押しになります。
成功事例をみると、口コミが拡散しやすい仕組みを作ったりハッシュタグやSNSを活用してユーザーが気軽に口コミを投稿できる雰囲気を作っていることがわかります。
自社でも口コミを使った販促活動がしたいと考える人は、口コミ運用ツールの導入がおすすめです。
「ReviCo」は口コミ投稿の促進や、口コミの自動最適化ができるツールです。
口コミを集めるためのキャンペーンを気軽に企画できますし、キャンペーンで収集した口コミを自社のサイトに掲載したりデータを分析することも可能。
良質な口コミを多く集めたい、収集した口コミを上手く活用したいとお考えのECサイトの運営者様は、ぜひご相談や資料請求をご検討ください。