ECサイトを運営する中で、もっと自社商品やブランドのファンを増やしたい、顧客と継続的な関係を結びたいと考えたことはありませんか?
自社製品やブランドのファンを増やし、定期的な購入を促すには、ロイヤリティプログラムを活用するのがおすすめです。
今回は、ロイヤリティプログラムの概要や重要性、ロイヤリティプログラムを構成するために必要な要素や成功事例を解説します。
ロイヤリティプログラムを構成するために具体的にどのような要素が必要かがわかることで、行動に移しやすくなるでしょう。
ECサイトのファン化や顧客とのコミュニケーションを深めたい人はぜひ参考にしてください。
ECサイト運営においてロイヤリティプログラムの見直しが進む背景
ECサイトとユーザーがより深い関わりを構築するための施策であるロイヤリティプログラムは、昨今プログラムの見直しを進める企業が増えてきています。
顧客から見ても多くのロイヤリティプログラムが存在する中で、各社のプログラムの特徴や利点を理解し体験価値を感じることが困難な状況で、本来の顧客エンゲージメントを高める効果も薄れてしまっている状況です。
また、ブランドに信頼を寄せ、愛用してくれるロイヤルカスタマーは本当に「金銭的なお得感」を求めているのかといった、過度な値引きがブランド棄損につながっているという懸念があることで、より本質的に多くの企業がロイヤリティプログラムの本来の目的である顧客との中長期的な関係を構築することを目指しています。
そもそもロイヤリティプログラムとは?
ロイヤリティプログラムとは、企業が顧客に対して商品購入やサービスの利用を継続的に行ってもらうため、愛着を持ってもらうために特典を与える施策を指します。
ここではロイヤリティプログラムの目的や目指すべきゴール、どのようにしてロイヤリティプログラムが構成されているかを詳しく解説します。
- ・ロイヤリティプログラムの重要性や魅力
- ・顧客ロイヤリティの4象限を解説
- ・ロイヤリティプログラムの構成要素
それぞれ詳しく見ていきましょう。
ロイヤリティプログラムの重要性や魅力
ロイヤリティプログラムは、顧客との長期的な関係を構築する効果的な手段のひとつです。
顧客と長期的な関係を構築できれば、継続的に商品の購入をしてもらえることになり、結果的に収益向上につながります。
たとえば初めての購入の場合、商品をひとつだけ購入したとしても、商品の価値を理解して愛着が湧いた状態になれば、まとめて複数の商品を購入することもあるでしょう。
継続的な利用を促進することで、LTV(顧客生涯価値)を高めることができれば、顧客と良好な関係を構築しながら新たな価値提供ができるでしょう。
顧客ロイヤリティの4象限を解説
顧客ロイヤリティは以下の2つの軸、4象限に分類できます。
態度的ロイヤリティ | |||
高い | 低い | ||
行動的ロイヤリティ | 高い | ③見せかけのロイヤリティ | ①真のロイヤリティ |
低い | ④ロイヤリティなし | ②潜在的ロイヤリティ |
表の中にある行動的ロイヤリティは、顧客が再購入するかどうかなどの「行動」を示す指標です。
一方で態度的ロイヤリティとは、顧客が再購入するかではなく、購入によって感じた企業への愛着や感情など、顧客の思考・態度を示す指標と言われています。
それぞれの段階にいる顧客の状態は、以下のとおりです。
状態 | |
真のロイヤリティ | 行動的・態度的ともに高い会社やブランドに対するポジティブな気持ちを持ったうえで、再購入の行動にも移す状態 |
潜在的ロイヤリティ | 態度的は高いが行動的は低い会社やブランドに対するポジティブな気持ちを持っているが、再購入の行動には移っていない状態 |
見せかけのロイヤリティ | 行動的は高いが態度的は低い再購入などの行動は移すが、ブランドや商品自体にはそれほど感情が動いていない状態 |
ロイヤリティなし | 両方とも低い |
顧客と長期的に良好な関係を構築するには、真のロイヤリティを目指していく必要があるでしょう。
ロイヤリティプログラムの構成要素
ロイヤリティプログラムには、以下の3つの要素を取り入れることが大切です。
- ・ランク制度
- ・特典の獲得条件
- ・インセンティブ
たとえば、商品の購入に応じてポイントが付与されていく仕組みにランク制度を組み合わせるだけで、ランクを上げたいと考える人は積極的に購入数を増やしていくかもしれません。
他のECサイトや会社はどのようなロイヤリティプログラムを実施しているかを比較して、自社のプログラムに必要な要素を探しましょう。
ロイヤリティプログラムの種類や特徴を解説
ロイヤリティプログラムと一言で説明しても、施策の内容はさまざまです。
ここでは代表的な3つのロイヤリティプログラムの種類や特徴を解説します。
- ・ポイントプログラム|集めたポイントを交換する
- ・会員ランクプログラム|ランクが上がるほど特典のレベルが上がる
- ・有料プログラム|課金することで特典を受けられる
それぞれ詳しく見ていきましょう。
ポイントプログラム|集めたポイントを交換する
ポイントプログラムとは、購入金額や買い物の頻度に応じてポイントを付与し、貯まったポイントと特典を交換できる仕組みです。
ポイントがいくらで貯まるのか、いくら貯まるとどんな特典が受けられるのかなど、顧客に具体的な報酬を提供することで、継続的な利用を促進できます。
ポイントプログラムの事例は以下のとおりです。
- ・クレジットカードのポイント
- ・航空会社のマイレージプログラム
- ・スタンプカード
ポイントは目に見えて貯まっていく様子が見えるため、実施するだけで顧客のモチベーションを上げる魅力があります。
会員ランクプログラム|ランクが上がるほど特典のレベルが上がる
会員ランクプログラムは、利用頻度や金額に応じて会員のステータスが上がり、より価値の高い特典が得られる仕組みです。
顧客に上位ランクを目指すモチベーションを与えることができ、継続的な利用を促進します。
主なプログラムの事例は以下のとおりです。
- ・ホテルチェーンのステータスプログラム
- ・航空会社の上級会員制度
- ・ショッピングサイトの会員制度
会員ランクプログラムは上位ランクの特典を魅力的にすることが大切です。
また、ホテルや飛行機など旅行などで定期的に利用する可能性があるものや、ショッピングサイトなど買い物で普段から利用してもらえる物に対して実施すれば、会員であることのメリットを実感してもらいやすいでしょう。
有料プログラム|課金することで特典を受けられる
有料プログラムは、会費を支払うことで特別な特典やサービスを受けられる仕組みです。
会費を支払うことで会費分の得をしたいと考える人が増え、特典の利用頻度も増加するでしょう。
企業が実施している有料プログラムの事例は以下のとおりです。
- ・Amazon Prime
- ・Costcoの会員制度
- ・Spotify
有料にすることで利用する価値を与えることができるメリットがあることから、無料会員の制度だけでなく有料のサブスクサービスを取り入れる方法もおすすめです。
ロイヤリティプログラムの成功事例3選
ここからは、実際にロイヤリティプログラムで成功している企業の事例を3つ解説します。
- ・ビームス|マイルを活用したインセンティブ施策
- ・シップス|会員プログラムの導入で高い還元と特典を用意
- ・ユナイテッドアローズ|掛け合わせの特典で幅広い利用者を獲得
それぞれ詳しく見ていきましょう。
ビームス|マイルを活用したインセンティブ施策
引用:ビームス公式HP
ビームスが提供する「ビームスマイル」は、顧客のロイヤルティを高めるために設計されたプログラムです。
このプログラムでは、購入金額に応じてマイルが貯まります。具体的には、1円の購入につき1マイルが付与されます。それ以外にも会員登録やアプリのダウンロード、LINEとの連携、さらにはメールマガジンへの登録を行うことでボーナスマイルが得られることによって
新規会員を獲得するためのインセンティブが用意されており、会員登録以外にもユーザーにインタラクション率を高めるために設計されている点から、多くの顧客が参加しやすくなっています。
また、マイルが貯まれば溜まるほど還元率が高くなる点もよりユーザーがブランドに接点を持つ機会を増やすことに繋がり、高いLTVを維持するサービス力に寄与する仕組みと言えるでしょう。
シップス|会員プログラムの導入で高い還元と特典を用意
引用:SHIPS公式HP
シップスの「SHIPS Member’s Club」は、顧客の購買体験を向上させるために多様な特典を提供しています。このプログラムでは、年間購入金額に基づいて5つの会員ステージ(NAVY、SILVER、GOLD、PLATINUM、DIAMOND)が設定されています。
シップスの会員プログラム「SHIPS Member’s Club」は、単なる購買を超えて、LINEアカウント連携や来店予約、試着予約などの多様なアクションを通じて、顧客は購入以外の方法でもポイントを獲得できるようになりました。
さらにSIHPSでは具体的な施策として、ステージアップやアクションポイント等の特典付与のメールを、月単位で配信することで、よりユーザーにポイントの利用と自社サービスの認知価値の向上に繋げていると言えるでしょう。
これにより、実店舗でも顧客の声として、ポイント還元率の高さからブランドへのポジティブなレビューが集まるようになったといいます。
このような多様なポイント獲得方法は、顧客との接点を増やし、ブランドへの愛着を深める要因となるでしょう。
ユナイテッドアローズ|マイルとサービスクーポンの掛け合わせで幅広い利用者を獲得
ユナイテッドアローズが展開する「UAクラブ」は、その名の通り会員専用の特典やサービスを提供するプログラムです。累計獲得マイルに応じて5つのステージ(BASIC、SILVER、GOLD、PLATINUM、DIAMOND)が設定されており、それぞれ異なるメリットがあります。
ひとつは、買い物金額に応じて基本的にはお買い上げ1円(税抜)につき1マイルが付与され、セール品や特価品では2円で1マイルという仕組みです。
特徴的なのは、購入以外にも、アプリインストールやLINE連携、お気に入り登録、エコバッグ使用など。様々なアクションでもマイルを獲得できることで、よりユーザーはブランドのアプリを活用しやすくなるでしょう。
獲得したマイルは、次回購入時に使用できるUAクーポンに交換可能で、マイルの有効期限は最終獲得・利用日から1年間と設定されています。
また、会員限定セールやバースデークーポンなども提供されており、これらは顧客にとって非常に魅力的な要素と言えるでしょう。さらにアプリインストールやLINEアカウント連携によってもマイルが貯まるため、多様なチャネルから顧客との接点を持つことができている事例です。
ユナイテッドアローズは、会員向けプログラムの「UAクラブ」を既存のプログラムに新しく導入し、ロイヤリティプログラムそのものを刷新しています。
ロイヤリティプログラムは設計や実施後の集客も重要ですが、ユーザーの反応を見ながらPDCAサイクルを回すことが最も重要であり、それによりプログラムの効果を最大化しながら顧客満足度の向上を図ることができるでしょう。
ReviCoを使ってより深く顧客を知ろう
ロイヤリティプログラムは、顧客との長期的な関係の維持や売上向上に必要なツールです。
今回紹介した3種類のロイヤリティプログラム以外にも活用できるプログラムはさまざまあります。
自社のビジネスモデルと顧客ニーズを把握したうえで、適切な組み合わせを見つけることが大切です。
成功事例からもわかるように、単なる割引や特典だけでなく、顧客に価値ある体験を提供することが、プログラムの成功につながります。
また、プログラムに参加した顧客に対してはフォローアップメールなどでサービス利用における口コミやアンケートを実施してみるのも効果的です。
顧客の口コミを集めたり、満足度の調査をスムーズに行うには、ツールの導入がおすすめです。
「ReviCo」は、現在280以上のECサイトに導入されているレビューマーケティングプラットフォームです。
ECサイト・実店舗を問わず商品やサービスを体験した消費者から良質なレビューを数多く収集し、サイト内へ掲載、また、データを分析しマーケティングに活用することでコンバージョン率の向上やユーザーコミュニケーションを促進させます。
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