企業間取引(BtoB)のデジタル化が加速する中で、ビジネスツールとしてのECサイトの導入は今や事業成長の重要な戦略となっています。
BtoBのECサイトはどのように運用することで、売上向上や認知拡大を実現できるのでしょうか?
本記事では、BtoB ECサイトの基礎知識から成功事例まで、わかりやすく解説していきます。
BtoBのECサイトの運用を検討している事業者の方はぜひ参考にしてください。
BtoBのECサイトとは?その他のECサイトとの違いを解説
BtoBのECサイトは複数あるECサイトの種類のひとつです。
ここでは、BtoBのECサイトの概要やその他のECサイトとの違い、市場規模について解説します。
- ・BtoBのECサイト
- ・ECサイトごとの違い
- ・BtoBのECサイトの市場規模は拡大中
それぞれ詳しく見ていきましょう。
BtoBのECサイト
BtoB ECサイトとは、企業間の商取引をインターネット上で行うためのプラットフォーム(ECサイト)を指します。
BtoB ECサイトが普及した理由は、企業活動のデジタル化に伴い、従来の対面や電話による受発注をオンライン化することで、業務効率の向上を図ろうとする企業が増加したからです。
BtoB ECサイトの主な特徴は以下のとおりです。
- ・大口取引に対応した受発注システムを保有
- ・企業向けの与信管理機能が豊富
- ・取引量に応じた価格設定が可能
- ・請求書払いなどのビジネス決済に対応
BtoB ECサイトは企業間取引特有のニーズに応える専門的な機能を備えていることから、小規模から大規模まで幅広い取引に対応可能です。
ECサイトごとの違い
ECサイトは取引形態によって以下の4つに分類されます。
- ・BtoB
- ・BtoC
- ・CtoC
- ・DtoC
それぞれの取引形態によって、必要な機能や運用方法が大きく異なります。
BtoB(企業間取引) | BtoC(企業→消費者) | CtoC(消費者間取引) | DtoC(メーカー→消費者) | |
取引規模 | 大規模(数十万円~数千万円) | 小規模(数千円~数万円) | 少額(数百円~数万円) | 中規模(数千円~数十万円) |
決済方法 | 請求書払い、掛け売りが主流 | クレジットカード、電子マネーなど | オンライン決済が中心 | クレジットカード中心 |
価格設定 | 数量割引、顧客ランク別価格 | 定価販売が基本 | 個人間での価格交渉 | メーカー直販価格 |
セキュリティ | 高度な認証システム | 一般的な認証レベル | プラットフォームによる | 一般的な認証レベル |
たとえばBtoB ECサイトは、他の3つのECサイトと比較して決済方法やセキュリティのレベルが高いです。
上記の違いを理解し、適切な機能を実装することが、ECサイト成功の鍵となるでしょう。
BtoBのECサイトの市場規模は拡大中
日本のBtoB EC市場は着実な成長を続けており、今後も拡大が予測されています。
拡大の理由としては、デジタルトランスフォーメーション(DX)の推進や、コロナ禍での非対面取引の需要増加が挙げられます。
BtoB EC市場規模の推移は以下のとおりです。
- ・2020年:334.9兆円
- ・2021年:372.7兆円
- ・2022年:420.2兆円
引用:[令和4年度 電子商取引に関する市場調査]
BtoB ECの市場規模は、企業のデジタル化がさらに進む中で、今後もさらに拡大していくと期待されています。
特に、中小企業のBtoB EC導入が進むことで、さらなる市場拡大が起こるでしょう。
BtoBのECサイトの種類
BtoBのECサイトの中にもそれぞれ種類があります。
ここでは、BtoBのECサイトを3つに分けて解説します。
- 1.クローズド型BtoB ECサイト
- 2.スモール型BtoB ECサイト
- 3.マーケットプレイス型BtoB ECサイト
それぞれ詳しく見ていきましょう。
クローズド型BtoB ECサイト
クローズド型BtoB ECサイトとは、特定の取引先のみがアクセスできる会員制度を導入しているECサイトです。
会員制にすることで、アクセスできる人を制限できるため、企業秘密や価格情報の保護が必要な場合に適しています。
ほかにもクローズド型BtoB ECサイトでは、クライアントごとに表示商品を決めたり割引率を変えたりすることも可能です。
新規顧客を獲得するよりも、既存顧客との信頼関係の構築をしたい場合に効果的です。
スモール型BtoB ECサイト
スモール型BtoB ECサイトとは、中小企業向けの比較的小規模なECサイトです。
ECサイトの規模が小さいため、初期投資を抑えつつ、オンライン取引を始めたい企業に適しています。
しかし、ECサイトの売上が増えて事業を拡大するタイミングになると、サイト内のセキュリティ対策やサイトの管理などを見直す必要も出てくるでしょう。
運用コストを抑えつつ、将来的にどう進めていくべきかの計画を立てておくことも大切です。
マーケットプレイス型BtoB ECサイト
マーケットプレイス型BtoB ECサイトとは、複数の売り手と買い手が参加する取引プラットフォームです。
複数の売り手がいることで十分な数の商品を確保できるため、新規取引先の開拓や市場拡大を目指す企業に適しています。
マーケットプレイス型BtoB ECサイトの主な例を挙げると以下のとおりです。
- ・アリババ.com
- ・アスクル
- ・モノタロウ
取引機会の拡大が期待できる一方、競争も激しくなる点に注意が必要です。
ただ、膨大な数の商品陳列や細かな請求書への対応ができるだけでなく、セキュリティ強度が高い点を魅力的に感じる人が多いかもしれません。
BtoBのECサイトを運用するメリット
BtoBのECサイトを運用するメリットは以下のとおりです。
- ・受発注業務の自動化により人件費を削減できる
- ・24時間365日の注文受付が実現できる
- ・データ分析により在庫を最適化できる
- ・場所にとらわれず取引先を開拓できる
BtoBのECサイトは、インターネット上で取引を実施できるため、業務効率化やコスト削減、販路拡大など多方面にメリットが生まれます。
BtoBのECサイトを運用することで、企業の競争力強化につながるでしょう。
BtoBのECサイトを運用するデメリット
メリットがある一方で、BtoBのECサイトを運用するにはいくつかの課題やリスクも存在します。
デメリットとして挙げられる点は以下のとおりです。
- ・初期投資・運用コストの負担
- ・システムトラブル発生時の対応が必要
- ・従業員の教育・トレーニングの手間
- ・個人情報・取引データの管理に口数が発生する
インターネット上で顧客の個人情報を管理することもあり、システム投資や運用体制の整備、セキュリティ対策などが必須です。
自社で対応できない領域に関しては、外部ツールの導入など、適切に対処することが成功の鍵となります。
BtoBのECサイトの成功事例3選
ここではBtoBのECサイトで集客や売上UPに成功した企業の事例を紹介します。
- ・アスクル
- ・モノタロウ
- ・MiSUMi
それぞれ詳しく見ていきましょう。
アスクル
アスクルは、オフィス用品専門BtoBのECサイト先駆者として成功を収めています。
アスクルの名前の由来は「明日来る」とのこと。
名前のとおり、アスクルの魅力や特徴は以下のとおりです。
- ・翌日配送の実現
- ・法人向けの商品の展開
- ・法人向けの大口対応・請求書払いの対応
- ・商品数40万点以上
- ・年間売上高4,000億円規模
法人向けのビジネスとして、オフィス家具のレイアウト提案やカタログ発送、注文受付、配送などまとめて対応できる点が魅力といえるでしょう。
法人の顧客ニーズに応える革新的なサービスを打ち出したことで成功をおさめています。
モノタロウ
モノタロウは、工具・部品のBtoB EC分野でトップシェアを誇るサービスです。
モノタロウのECサイトは、圧倒的な商品数と使いやすいUI/UXが特徴です。
主な特徴は以下のとおり。
- ・取扱商品数1,900万点以上
- ・当日出荷65万点以上
- ・大口・小口どちらの購入にも対応
- ・AIを活用した商品検索を実現
- ・トラブルシューティング・技術に関するノウハウ発信
モノタロウのECサイトの成功の秘訣は、これまで大口発注がメインだった販売方法にかわり、1点から購入できる小口発注にも対応を広げた点です。
それまでは大手企業のみ利用していましたが、中小企業からの利用が増えたことで売上の向上を実現しています。
MiSUMi
MiSUMiは、製造業における生産ラインで使われる機械部品のEC化で業界をリードしています。
MiSUMiの特徴は以下のとおりです。
- ・3D CADデータのダウンロード提供可能
- ・カスタマイズ部品の即時見積もりが可能
- ・当日配送135万点
- ・グローバル展開を実現
製造業の機械部品は種類が多く、絞り込みが難しいという特徴がありますが、MiSUMiでは「瞬索くん」という独自の検索システムを搭載しています。
必要な部品を容易に検索して購入できる機能があることで、多くの製造業で利用されています。
BtoBのECサイトの運用はツールの導入が必須
今回は、BtoBのECサイトの概要やその他のECサイトとの違い、成功事例などを詳しく解説しました。
BtoBのECサイトはインターネット上で法人との取引で利用されるツールであることから、顧客情報の管理やセキュリティ対策、検索機能や支払い方法の充実などが求められます。
効率的な運用には適切なツールの選択が重要です。
受発注管理や在庫管理、顧客管理や販促管理など、多岐にわたる業務を効率化することで、事業の拡大や売上アップに貢献できるでしょう。
ECサイトの運用を進めるには、サイトの認知拡大や購入の促進になるための対策が必要です。
「ReviCo」は、現在280以上のECサイトに導入されているレビューマーケティングプラットフォームです。
ECサイト・実店舗を問わず商品やサービスを体験した消費者から良質なレビューを数多く収集し、サイト内へ掲載、また、データを分析しマーケティングに活用することでコンバージョン率の向上やユーザーコミュニケーションを促進させます。
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