バイラルマーケティングとは、現代のデジタル社会における情報拡散性の高さを活用した宣伝手法のひとつです。
バイラルマーケティングには複数の種類があり、私たちが生活するいたるところで取り入れられています。
実際に自社のECサイトや、ブランドの認知度拡大にバイラルマーケティングを活用する際、どのように進めるべきかご存知ですか?
今回は、バイラルマーケティングの概要や目的だけでなく、メリット・デメリットや具体的な成功事例を詳しく解説します。
バイラルマーケティングの概要や目的を解説
まずはバイラルマーケティングの概要を解説します。
よく間違えられることの多いバズマーケティングとの違いも紹介するので、参考にしてください。
- ・バイラルマーケティングとは
- ・バイラルマーケティングの手法
- ・バイラルマーケティングとバズマーケティングとの違い
それぞれ詳しく見ていきましょう。
バイラルマーケティングとは
バイラルマーケティングの「バイラル(Viral)」とは、英語の「ウイルス(Virus)」が語源です。
語源を踏まえると、バイラルマーケティングとは、ウイルスのように急速に情報が拡散する現象を利用したマーケティング手法を指します。
たとえば、印象的な広告動画やユニークなハッシュタグキャンペーンが話題になると、自分もやってみたいと感じたことはありませんか?
人々は面白いと感じたコンテンツを自然に他者と共有したがる性質があるのです。
バイラルマーケティングでは、人々の「広めたい」という心理を活用して、消費者間の自発的な情報共有を促進し、商品やサービスの認知度を高めているといえます。
バイラルマーケティングでは、企業は自分から積極的にPRする必要はなく、話題性のあるテーマを拡散するだけで完了です。
従来の広告手法よりも低コストで大きな反響や認知拡大を実現できる可能性がある革新的な戦略として、SNSが発達した今の時代に求められているマーケティング手法といえるでしょう。
バイラルマーケティングの手法
バイラルマーケティングの手法には、下記の3種類があります。
種類 | 特徴 |
1次的バイラルマーケティング | 企業が直接発信するコンテンツや情報が、自発的に共有・拡散されるユーモアや感動といった要素を含むことで、自然な形で口コミが広がりやすい |
2次的バイラルマーケティング | 消費者同士の会話や口コミが、新たな消費者を呼び込むシェアや紹介で顧客にとってお得な特典が得られる例:友達紹介でクーポンプレゼント・口コミ投稿キャンペーン |
紹介埋め込みタイプ | 企業のサイトやアプリ内に、友人紹介やシェアの機能を埋め込む接触回数を増やすことで宣伝効果を高められる |
紹介した3つの手法は、方法は異なりますがどれも人々の興味を引き、自発的な共有を促すことを目的としています。
なぜバイラルマーケティングが「自発的な共有」を目指すかというと、消費者自身が拡散した情報は、企業が直接発信する情報よりもさらに信頼性の高い宣伝効果を与えることができるからです。
3つの手法はマーケティング施策をする中で、さまざまな場所に取り入れることが大切です。
バイラルマーケティングとバズマーケティングとの違い
バイラルマーケティングと似た言葉に「バズマーケティング」があります。
バイラルマーケティングとバズマーケティングは、どちらも口コミを活用する点で似ていますが、大きな違いは目的や企業の介入度合いにあります。
バイラルマーケティングは、あるコンテンツに対して消費者からの長期的かつ持続的な情報拡散を目指す取り組みです。
一方で、バズマーケティングは、商品やサービスに対して意図的に話題性を作り、短期間で大きな話題を作ることを重視します。
なぜなら、バイラルは「ウイルス的」な持続的拡散を、バズは「蜂の羽音」のような一時的な騒ぎを意味するからです。
たとえば、バイラルマーケティングでは長期的なブランド認知向上を目指すのに対し、バズマーケティングでは一時的なトレンドを作り出すことを意識しています。
企業の介入も、バズマーケティングでは企業の公式アカウントの解説や発信が積極的に行われますが、バイラルマーケティングにはほとんどありません。
両者の特徴を踏まえて、自社のPRにはどの手法が合っているかを確認してみてください。
バイラルマーケティングのメリット・デメリット
バイラルマーケティングのメリットとデメリットを以下にまとめました。
メリット | デメリット |
・低コストで大規模なPRができる ・高い信頼性と説得力がある ・ブランドや店舗の認知度の急速な向上が期待できる | ・情報の拡散におけるコントロールが難しい ・効果の予測が困難である ・長期的な効果を維持することが難しい |
低コストでPRができる一方で、テーマを与えてからの拡散には企業が介入したりコントロールしたりすることがないため、悪い評判が拡散されるリスクもあります。
さらに、思ったほどの効果が出ない可能性もあるため、バイラルマーケティングは1回だけに全てをかけるのではなく、実施後の分析や改善を行いつつ、試しながら進めることが大切です。
バイラルマーケティングの成功事例を解説
ここでは、バイラルマーケティングの成功事例を見ていきましょう。
- ・株式会社ロッテ|10代の若者をターゲットにしたSNSの広告
- ・アメリカALS協会|アイス・バケツ・チャレンジ
- ・Apple|iPhoneから送信
それぞれ詳しく解説します。
株式会社ロッテ|10代の若者をターゲットにしたSNSの広告
株式会社ロッテは、「Fit’s」というガムのCMを使って、10代の若者をターゲットにしたバイラルマーケティングを実施しています。
2010年に登場した「Fit’s」ガムのCMは、「噛むとふにゃん」というキーワードをダンスで表現するというもの。
曲に振り付けがあることで、多くの人がマネをしやすく、曲を聴くと一瞬でイメージが浮かぶ特徴があります。
さらにYouTubeでは、オリジナルダンスの再生回数を競う「Fit’sダンスコンテスト」を実施し、ユーザーにCMの曲を使ったアレンジダンスを発信してもらう仕組みづくりを作りました。
結果として、「Fit’sダンスコンテスト」における動画の総再生回数は2,100万回以上になったそうです。
これらの取り組みにより、若者の間で自然な形で商品情報が拡散し、ブランド認知度が大幅に向上しました。
アメリカALS協会|アイス・バケツ・チャレンジ
アメリカALS協会の「アイス・バケツ・チャレンジ」は、バイラルマーケティングの代表的な成功事例です。
企画内容は、氷水をかぶって筋萎縮性側索硬化症(ALS)の認知度を高め、寄付を呼びかけるというシンプルなもの。
なぜこれが成功したかというと、参加者が次の参加者を指名するという仕組みが、自然な拡散を促進したからです。
たとえば、大統領や芸能人が参加する様子や、次に繋がっていく様子がSNSで共有され、連鎖的に広がっていきました。
その結果、世界中で多くの人々が参加し、ALSへの認知度が劇的に向上し、多額の寄付が集まりました。
参加しやすく、かつ他者を巻き込む要素を持つキャンペーンは、バイラルマーケティングとして非常に効果的だと分かった事例といえるでしょう。
Apple|iPhoneから送信
Appleの「iPhoneから送信」という文言は、シンプルながら効果的なバイラルマーケティングの例です。
Appleの実施したバイラルマーケティングは、iPhoneユーザーがメールを送信する際に自動的に付加される文言のことです。
なぜこれが効果的かというと、ユーザーの日常的な行動(メール)を通じて、自然にブランドの存在感を高められるからです。
たとえば、ビジネスメールやプライベートな連絡など、様々な場面で「iPhoneから送信」という文言が目に入ることで、多くの人がiPhoneを使っているという意識が強まります。
人間は権威性のあるものに従ったり同調する心理が働くため、結果として、メールの受信者の中には自然とiPhoneへの興味や購買意欲が喚起される可能性が高まるということ。
目に見えて企業からのアプローチがない方法だとしても、徐々に接触回数を増やして認知を拡大することもできるということが分かる成功事例です。
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今回は、バイラルマーケティングについて概要や目的、メリット・デメリットや成功事例を解説しました。
バイラルマーケティングは、企業の介入頻度を抑えつつ、低コストで消費者からの自発的な口コミや発信を促進できるマーケティング手法のひとつです。
口コミは近年では購入決定の要素になるほど、信頼性の高いものになりました。
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