ECサイトの構築・運営をする中で規模の大きなサービスを目指す人におすすめなのが、ECパッケージの導入です。
ECパッケージとは、ECサイトの運営に必要な機能をまとめた製品・サービスのことです。
今回はECパッケージの概要やメリット・デメリット、導入すべき企業の特徴や導入の流れ、比較ポイントなどを詳しく解説します。
ECサイトを運営している事業者の方や、今後規模を拡大したいと考える方はぜひ参考にしてください。
ECパッケージとは
ECパッケージは、ECサイトの構築・運営に必要な機能をまとめた製品・サービスを指します。
ECサイトに必要な機能が備わっているパッケージを自社のサーバーにインストールするだけで、一からサイトの機能を構築するよりもスムーズかつ効率的にECサイトを運営できる点が魅力です。
ECパッケージは、どんな機能がパッケージ化されているかによって内容が異なり、大きく分けるとフロント機能とバックオフィス機能があります。
| 種類 | 主な機能 |
| フロント機能 | ・キャンペーン実施やクーポン発行などの販促機能 ・購入履歴の確認や会員情報管理など会員登録・管理機能、ショッピングカート・決済機能 |
| バックオフィス機能 | ・商品登録、在庫管理機能 ・購入情報の管理 ・受注管理機能 ・ポイント確認や顧客情報の管理機能 |
さらに、それぞれのECパッケージは自社での活用の幅を広げるために自由度の高さを求め始めると、カスタマイズ性の高さや納期によってさらに商品の選択肢が広がります。
| 納期の速さ | カスタマイズ性の高さ | |
| 無料ASP | ◎ | × |
| 有料ASP | ◯ | △ |
| クラウドEC | △ | ◯ |
| フルスクラッチ・パッケージ | × | ◎ |
ECパッケージは、対応する機能に違いがあるため、自社にどんな機能が必要かを把握した上で比較することが大切です。
ECパッケージのメリット・デメリットを一覧で紹介
ここではECパッケージのメリット・デメリットをまとめました。
| メリット | デメリット |
| ・セキュリティ性が高い ・サポートが充実している ・機能が豊富 | ・コストがかかる ・システム更新の手間がかかる ・機能面の制限がかかる |
それぞれの要素を詳しく解説します。
ECパッケージのメリットはセキュリティ性の高さやサポートの充実度
ECパッケージは、パッケージされた機能をスムーズにかつ効率的に使える点が魅力です。
決済機能や商品登録機能などさまざまな機能があらかじめ用意されているため、ECサイトの基本的な運営に必要な機能を充実させることができ、サイトをオープンした後もスムーズに運用できます。
ECパッケージによっては導入後のサポートが充実していることも。
万が一のトラブル発生時にすぐに連絡、対応できる点もECパッケージならではの強みです。
さらに、ECパッケージはセキュリティ対策も充実している点も特徴の一つ。
セキュリティ対策を万全にした上で定期的に更新されるため、顧客情報を守る役割も果たしているといえるでしょう。
ECパッケージのデメリットは費用や機能性
ECパッケージは魅力的な機能が充実していますが、導入前の比較を怠ると損してしまうリスクもあります。
なぜならECパッケージは充実した機能を備えている分、導入に際して初期費用が発生したり、継続的な運用費用がかかるため。
必要な機能があるかを十分に精査してから導入しなければ、不必要な機能に予算を割かなければいけない状態になるかもしれません。
さらにパッケージによっては、自由度に差があり、求めていた細かなカスタマイズが難しい場合もあります。
機能面と価格のバランスを事前に確認した上で、自社にあったECパッケージの導入を進めましょう。
ECパッケージを導入すべき企業の特徴を紹介
ECパッケージは、企業の規模や目的によって、おすすめするサービス・製品が異なります。
デメリットでも上げたように、ECパッケージにはサービスによって機能の内容や費用が異なるからです。
ここでは、目的や企業規模別におすすめのECパッケージのタイプや特徴を紹介します。
| おすすめのECパッケージタイプや特徴 | |
| 中小企業 | ・ベーシックなテンプレートを活用できるECパッケージ ・導入コストの低さ ・基本的な機能を幅広く活用できるプラン |
| 中小企業から中堅企業 | ・最低限のカスタマイズの充実度 ・オプションで機能を追加できるプランの豊富さ ・費用と機能面のバランス |
| 中堅企業から大企業 | ・フルカスタマイズできる機能性の充実さ ・数万規模のデータを管理、保管できる容量の大きさ ・大量のアクセスに対応できるインフラ環境 |
事業の規模や、ECサイトの運営をどのレベルで進めたいかによって求められる機能は異なります。
自社の現状を把握した上で、将来的にどのくらいの規模まで拡大したいかなどを検討して、必要な機能を備えるECパッケージを選ぶとよいでしょう。
ECパッケージを導入するまでの流れを解説
実際にECパッケージの購入を検討する人にとって、購入前後の流れは気になるポイントのひとつでしょう。
ここではECパッケージを導入するまでの流れをまとめました。
| 手順 | 作業内容 | 特徴 |
| 1 | 要件定義 | 自社のニーズを明確にする |
| 2 | 市場調査 | 利用可能なECパッケージを調査する |
| 3 | 比較検討 | 複数のパッケージを比較し、最適なものを選ぶ |
| 4 | デモ利用 | 問い合わせをして見積もりの確認やデモの利用で使用感を把握する |
| 5 | 契約 | 選定したパッケージを導入する |
| 6 | カスタマイズ・テスト | 必要に応じてカスタマイズや事前の連携テストを実施し、初期設定を行う |
| 7 | 運用開始 | ECサイトの運用を開始する |
カスタマイズの自由度が高いECパッケージであれば、契約から運用開始まで6ヶ月以上かかることもあります。
サイト運用のスピード感や費用とも相談しながら計画を立てましょう。
ECパッケージの比較ポイントを紹介
ECパッケージの導入を検討している人は、以下の3つのポイントを押さえておくことが重要です。
- ・事前に商品デモの利用や打ち合わせなどの有無
- ・導入実績の豊富さ
- ・システムベンダーのセキュリティ体制の厳重さ
それぞれ詳しく見ていきましょう。
事前に商品デモの利用や打ち合わせなどの有無
ECパッケージの機能が自社のECサイトに適しているかを事前に確認するために、商品デモを利用できないか、費用に関する打ち合わせができないか確認してみてください。
デモ利用や事前の打ち合わせは、パッケージと自社サイトとの相性の確認や、具体的な使用感を確認するために重要な機会です。
実際に使用してみることで、操作性や機能の詳細を把握できますし、使用した結果必要な機能が見えてくるかもしれません。
初期費用や月額費用も安くはない金額であることがほとんどで、どんなサービスか分からずに投資をするのは不安になる方もいるでしょう。
サービス比較の指標の一つに入れてみてください。
導入実績の豊富さ
導入実績が豊富なECパッケージは、信頼を証明しているといえるでしょう。
多くの企業で利用されているということは、そのECパッケージの有用性や効果が認められているからです。
業界別の導入事例や、具体的な成功事例を確認することで、自社での利用シーンをイメージすることもできます。
導入実績を比較する際は、導入企業の事業規模や販売ジャンルが自社のECサイトと似ているかを確認するのもおすすめです。
システムベンダーのセキュリティ体制の厳重さ
ECサイトは顧客の個人情報や決済情報を取り扱うため、セキュリティ管理は極めて重要です。
セキュリティ対策が不十分だと、情報漏洩などのリスクが高まります。
ECパッケージを選ぶ際は、サービスのセキュリティ対策のレベルを確認してください。
ベンダーのセキュリティポリシーや対応体制についても詳しく把握しておくことで、もしもの際のリスク管理につながるでしょう。
まとめ
今回は、ECパッケージの概要やメリット・デメリット、導入に向けた比較ポイントやおすすめのサービスを紹介しました。
ECパッケージはどんな機能がパッケージになっているかで、ECサイトのどの部分を効率化できるかが異なります。
たとえばサイトの初期段階の仕入れや商品登録をシステムで自動化したいのか、販促部分のレビューや口コミ、キャンペーンの設計を効率化したいかでは、必要なサービスの比較ポイントが変わるでしょう。
今回の記事では、ECパッケージの選び方や実際に導入する際の流れも詳しく紹介しています。
ECサイトの運営の中でも、販促部分を強化したい人は口コミやレビューの収集や運用を効率化するのがおすすめです。
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