ECサイトの運用をする中で、ユーザー体験を大きく向上させる技術として注目を集めているのが「レコメンドエンジン」です。
自社のECサイトにもレコメンド機能を追加したいけど方法がわからない、と悩んでいる方もいるのではないでしょうか?
今回は、レコメンドエンジンの概念や種類、導入時の比較ポイントまで詳しく解説します。
レコメンドエンジンを活用して、自社のECを利用する顧客に最適な提案をできる仕組みを作りましょう。
レコメンドエンジンとは
レコメンドエンジンとは、ユーザーの好みや行動パターンを分析し、最適な商品やコンテンツを提案するシステムのことです。
膨大な選択肢の中からユーザーの興味に合う項目を効率的に見つけ出し、購買や利用を促進するためです。
レコメンドエンジンの例を挙げるとすると、以下のとおり。
- Amazon:この商品を見た人はこんな商品も見ています
- Netflix:あなたにおすすめの作品
- 楽天市場:あなたにおすすめの商品
レコメンドエンジンを導入することで、利用者にまとめ買いを促進できるだけでなく、欲しかったアイテムを見つけるきっかけを作ることができるでしょう。
レコメンドエンジンの5つのレコメンド機能を解説
レコメンドエンジンには、以下の5つの機能があります。
- 協調フィルタリング
- コンテンツベース・レコメンド
- ルールベース・レコメンド
- パーソナライズ・レコメンド
- ハイブリッド・レコメンデーション
それぞれ詳しく見ていきましょう。
協調フィルタリング
協調フィルタリングとは、似たような嗜好を持つユーザーの行動データを基に、レコメンドを生成する方式です。
協調フィルタリングは「Aと似た趣味のBが好んだものは、Aも好む可能性が高い」という考えに基づいています。
たとえばユーザーAが購入した商品をユーザーBが選んだ場合、協調フィルタリング機能では、ユーザーBに対して、ユーザーAが購入した別商品を表示して「商品を購入した人は、こんな商品も購入しています」というレコメンドを与えます。
協調フィルタリングはアイテムベースとユーザーベースの2種類が用意されているため、自社のECで販売する商品の種類やユーザーの購入傾向などをみて選ぶのがおすすめです。
コンテンツベース・レコメンド
コンテンツベース・レコメンドとは商品やコンテンツの特徴を分析し、ユーザーの過去の行動と照らし合わせてレコメンドを生成する方法です。
たとえばひとつのブランドのワンピースを購入したユーザーがいた場合、コンテンツベース・レコメンドでは同じブランドの別のTシャツやパンツなどをレコメンドします。
コンテンツの収集や分類に時間がかかるという注意点がありますが、カテゴリを事前に設定できる場合もあるため結果に合わせて調整することも可能です。
ルールベース・レコメンド
ルールベース・レコメンドとは予め設定したルールに基づいてレコメンドを生成する方式です。
特定の条件や状況下で、確実なレコメンドを届けたい場合に有効的です。
ルールとして設定する条件の例は以下のとおりです。
【ユーザー条件】
- 〇〇を購入したユーザー
- 広告バナーから流入したユーザー
【レコメンド先】
- 人気ランキング
- 季節商品
- 新商品
- 在庫処分セール
コンテンツベースと比較して、条件をつけられることからより細かい相手に向けてレコメンドできる点が特徴といえるでしょう。
パーソナライズ・レコメンド
パーソナライズ・レコメンドとは、個々のユーザーの行動履歴や属性に基づいて、おすすめ商品を提案する方法です。
協調フィルタリングと異なり、ユーザー一人ひとりの嗜好や需要に合わせて提案する点が特徴のひとつ。
主に下記の情報を総合的に分析してレコメンドを行います。
- ユーザーの過去の購買履歴
- 閲覧履歴
- 検索履歴
ユーザーの情報が豊富な場合に効果を発揮するため、ECサイトが大規模でデータが十分に揃っている場合や、時間がかかってでも実店舗のような細やかな接客をしたい方におすすめです。
ハイブリッド・レコメンデーション
ハイブリッド・レコメンデーションとは、上記の4種類のレコメンド手法を組み合わせて、より精度の高いレコメンドを生成する方法です。
それぞれの手法の長所を活かし、短所を補完することで、より多様な状況に対応できるレコメンドが可能になります。
ユーザーに対するレコメンド機能に正確性や幅広い使い道を求める方は、ハイブリッド・レコメンデーションを利用するのがおすすめです。
レコメンド機能以外にも、顧客の商品購入を促進する方法があります。
気軽に顧客の購入を後押ししたいと考える方は「口コミ」を活用しましょう。
「ReviCo」は口コミ投稿の促進や、口コミの自動最適化ができるツールです。
簡易なレビュー承認機能があり、レビューに対して返信コメントをすることが可能です。
口コミを利用して、ECサイトの購買率の向上をお助けします。
良質な口コミを多く集めたい、収集した口コミを上手く活用したいとお考えのECサイトの運営者様は、ぜひご相談や資料請求をご検討ください。
レコメンドエンジンを導入するメリット
レコメンドエンジンの導入するメリットは以下のとおりです。
- 顧客満足度が向上する
- 購買率・利用率が増加する
- 平均購入額が上昇する
- 長期的な顧客ロイヤルティを構築できる
レコメンド機能は、ユーザーの情報を分析したうえで「その人に合ったもの」を提案する機能です。
提案された側としては、自分で見つけられなかった商品を見つけるきっかけにもなるため、満足度が上がり、結果としてECサイトに対しての好感度が上がるでしょう。
ECサイト側としては、おすすめしたことで複数商品の購入が実現するため、顧客単価や売上が上がる効果もあります。
レコメンドエンジンを導入するデメリット
レコメンドエンジンの導入には、メリットだけでなくいくつかのデメリットもあります。
主なデメリットは以下のとおりです。
- 初期導入コストとランニングコストがかかる
- データの質と量の確保が難しい
レコメンドエンジンを活用するには、ユーザーのデータが必要です。
導入直後はデータ数が少ないため、希望どおりのレコメンドができない可能性もあります。
さらに利用するレコメンド機能によっては必要なデータ数に違いがあることも。
また、ツールを導入するには初期費用や運用費用がかかることもあるため、予算の確認もしておきましょう。
レコメンドエンジンの比較ポイントを解説
レコメンドエンジンを導入する際は、複数のツールから比較検討することが重要です。
導入するツールによって利用できる機能や使えるレコメンド機能が異なり、導入効果にも差が出るからです。
主に比較すべきポイントは以下のとおりです。
- アルゴリズムの種類と精度
- カスタマイズ性
- 導入・運用コスト
- データ分析・レポート機能
- セキュリティ対策
- 既存ツールとの連携有無
レコメンドツールを比較する際は、価格だけを見るのではなく、価格に対する機能性やサポートの充実度、自社ECに搭載されている別ツールとの連携有無などを総合的に判断するのがおすすめです。
ツールによっては無料で試用版を試せる場合もあるため、ツールの使いやすさを事前に確認するのもよいでしょう。
導入する前に、どういった機能を求めているのか、どういったゴールを出したいのか、自社の現状を把握しておくことも大切です。
レコメンド機能を活用して顧客の購入意欲を高めることが大切
今回はレコメンドエンジンについて、概要や種類、メリット・デメリットやツールを選ぶ際のポイントを紹介しました。
レコメンド機能は単なる商品提案ツールではなく、顧客との関係性を深める重要な手段です。
適切なレコメンドを与えることができれば、顧客のニーズを先回りして満たすことができ、ブランドへの信頼を獲得できます。
ツールを導入する際は、自社に何が必要かを把握したうえで費用対効果を踏まえて検討してみてください。
レコメンド機能以外に、ECサイトの売上向上や顧客満足度の向上を目指す人は、口コミやレビューを活用するのがおすすめです。
「ReviCo」は口コミ投稿の促進や、口コミの自動最適化ができるツールです。
フォローアップメールなどにレビュー依頼を搭載して、気軽に口コミやレビューを集められる機能を持っています。
集めた口コミはECサイトに掲載することで、顧客の購入を後押しすることが可能です。
良質な口コミを多く集めたい、収集した口コミを上手く活用したいとお考えのECサイトの運営者様は、ぜひご相談や資料請求をご検討ください。