バリュエンスジャパン株式会社リテール事業本部ALLU推進部の藤井部長をお招きしまして、2年でEC売上高約4倍を実現した、EC事業における事業作り、サイト作りにおいて重要視されているポイントなどを色々とお伺いしました。
バリュエンスジャパン株式会社リテール事業本部ALLU推進部 部長 藤井 和也 氏
バリュエンスジャパン株式会社 基本情報
バリュエンスジャパン株式会社(https://www.valuence.inc/japan/)
・設立:2019年9月10日
・代表取締役社長:六車進
・本社所在地:東京都港区港南1-2-70 品川シーズンテラス28階
・事業内容:ブランド品、貴金属、宝石等の買取・販売
2年で売上4倍を実現する中で取り組んだことを教えていただけますか?
私がバリュエンスジャパンに入社した時はリユース業界の経験は初めてだったこともあり、まずは業界を知る、お客さんを知ることから始めました。
なぜお客さんは買うのかをヒアリングするなかで中古品を買うにあたり、ほぼ全員が何かしら不安がある中で買い物をされていることにが結果として分かり、お客様の声を大事にしながら、細かいところまで含めて改善したり、CS対応を丁寧に対応する必要があることに気づきました。
CS対応で親身に対応することを徹底するとともにサイト上で安心感を与えるレビューも対応したりしながら、安心して買い物ができるサイト作りを心掛けました。
リユース業界ですと、1商品1在庫で売ったら商品を下げるためレビューは向かないと思いますが、実際やってみていかがですか?
確かにリユース業界では1点ものなので、その商品が売れたら商品ページは広告も出さないし人も来ないし、不安を解消したかったが同じ商品を見ないし、二度と買えないのでレビューを用意しても参考にならないと思ったのですが、お店の安心感やCS対応が丁寧だという、買い物の行動だけでなく体験自体が良いというイメージを与えたかったのでレビューを通してそのイメージが伝わればと思いましたし、迷っている人の背中を押せるんじゃないかと思って導入しました。
当時はALLUというブランド名の認知がまだまだ足りていなかったので、ファーストビューで見せたりと安心感を与えるためにも効果はあったと感じています。
レビューを中心に顧客の声を集めて”従業員改善”、”組織改善”、”サイト改善”につなげたという事ですが、具体的にはどのようなことをされましたか?
最初は消費者向けにレビューを入れてましたが、当社では電話、メールなどのCS対応をしっかりとしていくため専用チームを用意しており、親身に対応することを常に徹底していたのでチームがレビューに興味を持ってくれたし、レビューをもらうだけじゃなく1件1件しっかりと読んで、返事を返してコミュニケーションのツールとして活用してくれました。今も1件1件返事を書くことをずっと続けてくれてますし、結果、返事を書くことでレビューをしっかり見るようになったと思います。レビューに悪いことも良いことも書かれていることに一喜一憂しながら、嬉しいお言葉をもらうことも多いので、デジタルでお客様とコミュニケーションを持っていることでモチベーションアップにもつながっていると感じております。
返事を定型文で対応しようとしてしまうこともありますが、リアルで普通にお客様の前で定型文を片言で話すような接客をすることは無いと思いますし、リアルでやっている接客をデジタルでもしっかりと実現しようと、必ず返信は1対1、1件1件丁寧に対応するように徹底しました。
また、集まっている良い評価を部門や関係者にしっかりと共有して、良いレビューが集まっているということを体感してもらっていると、チーム内でレビューに興味を持つようになりました。その結果、具体的なサイトの使い勝手へのご指摘なんかは真っ先に対応しておりましたし、お客様の評価が上がってくると最終的には組織みんなでお客様の声に耳を傾けるようになってきており、例えば商品詳細ページにリクエストを収集するような対応をするなど、お客様の声やニーズを集めることやそれをもとに改善していくことに積極的に対応するようになりました。
売るためだけじゃなくて事業作り、サイト作りの本質のために丁寧なコミュニケーション、改善をしていくと後から結果はついてくるものだと思います。
EC業界の今後について教えていただけますか?
もっと消費者の購買体験の中で、リアルとかデジタルとかではなくコミュニケーションの重要性を考える、そして大切にする必要があると考えております。頻度を上げるとかではなく、必要な人に必要な質と量の人対人のコミュニケーションをとるという点にもう一度目を向けて購買体験を改めて作っていくフェーズになっていると思っています。
レビューとかCSを利用してお客様とのコミュニケーションをより活用し、ショッピング体験を良いものにしていく重要性があると思っております。
初めてネットで買った時の体験が、その後のECへの利用に影響することが大きいと思います。最初の体験が失敗に終わると今後のECの購買に続かないので、業界全体でしっかりとお客様の声に耳を傾けて購買体験を上げていけると良いかなと思います。
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